気質効果とは、株式投資において、価格が上昇した株を早期に売却し、一方で、価格が下落した株を保有し続けてしまうという投資家の傾向のことです。
具体的には、例えば、100円で株を購入した投資家が、株価が110円に上昇した時点で売却してしまう一方で、株価が90円に下落した時点では、まだ購入価格に戻っていないため、売却を躊躇してしまうというような行動です。
気質効果は、合理的な投資行動とは言えません。なぜなら、価格が上昇した株を売却してしまうと、その後さらに上昇する可能性があり、その分の利益を逃してしまうことになるからです。また、価格が下落した株を保有し続けると、その後さらに下落する可能性があり、損失を拡大してしまうことになるからです。
気質効果の原因としては、以下の2つが挙げられます。
損失回避
気質効果は、損失回避の心理によって説明されています。損失回避とは、損失を回避するために、リスクを避ける傾向のことです。気質効果においては、価格が下落した株を保有し続けることで、損失を回避しようとする心理が働くと考えられています。
参照点依存
気質効果は、参照点依存の心理によっても説明されています。参照点依存とは、現状や過去の経験を参照点として、その参照点から離れるほどリスクを回避する傾向のことです。気質効果においては、価格が上昇した株を売却する際には、購入価格を参照点として、その参照点から離れるため、リスクを回避しようとする心理が働くと考えられています。
気質効果を避けるために、以下の点に注意するとよいでしょう。
投資の目的を明確にする
投資の目的を明確にすることで、損失回避や参照点依存などの心理から抜け出し、合理的な投資判断を行うことができるようになります。
投資の計画を立てる
投資の計画を立てることで、損失を最小限に抑え、利益を最大化するための意思決定をしやすくなります。
感情に流されない
投資においては、感情に流されて判断を誤ってしまうことがないように注意しましょう。冷静な判断を心がけることが大切です。