ツァイガルニク効果とは、完了した課題よりも未完了の課題の方が記憶に残りやすい心理現象のこと

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ツァイガルニク効果とは、完了した課題よりも未完了の課題の方が記憶に残りやすい心理現象のことです。

ツァイガルニク効果の由来

ツァイガルニク効果の由来は、1931年にドイツの心理学者クルト・レヴィンと、当時留学生だったソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが提唱したことです。

レヴィンは、「人は目標に向かって行動するときは緊張感が持続するが、それが達成されると緊張感も解消される」という仮説を提唱しました。それをもとに、ツァイガルニクは心理実験を行い、その効果を実証しました。

ツァイガルニクの実験では、被験者にいくつかの課題を渡し、そのうちのいくつかの課題を中断させました。その後、被験者に課題の内容を思い出してもらったところ、中断された課題の方が完了した課題よりもよく思い出されたのです。

このことから、未完了の課題の方が記憶に残りやすいというツァイガルニク効果が明らかになりました。

参考URL:
ツァイガルニク効果とは?具体的な活用法まで徹底解説!【マーケティング心理学】|CMSPro

ツァイガルニク効果の具体例

以下に、ツァイガルニク効果の具体例をいくつか挙げます。

仕事の途中で中断した仕事

仕事の途中で中断した仕事は、最後までやり遂げたい気持ちが残るため、記憶に残りやすく、仕事に集中できなくなることがあります。

テレビドラマの続き

テレビドラマの続きは、未完了の課題であるため、続きが気になって仕方がなくなり、次の放送まで我慢できなくなることがあります。

未読のメール

未読のメールは、未完了の課題であるため、開封したくなることがあります。

未解決のクレーム

未解決のクレームも、未完了の課題であるため、解決したい気持ちが残り、気がかりになってしまうことがあります。

目標達成できなかった月

目標達成できなかった月は、未完了の課題であるため、達成したい気持ちが残り、記憶に残りやすくなることがあります。

参考URL:
ツァイガルニク効果が良い影響を与える具体例とは?様々なシーンで活用可能 - 人事担当者のためのミツカリ公式ブログ

ツァイガルニク効果が起きる原因

ツァイガルニク効果が起きる原因は、以下の2つが考えられます。

心理的リアクタンス

心理的リアクタンスとは、自分の行動を制限されることによって、その行動を起こしたいという欲求が高まる現象です。ツァイガルニク効果では、途中で中断された課題は、達成できていない未完了状態です。そのため、その課題を完了したいという心理的リアクタンスが高まり、記憶に残りやすいと考えられます。

情報処理の活性化

ツァイガルニク効果では、未完了の課題は、達成した課題よりも情報処理が活性化されていると考えられます。これは、未完了の課題は、達成に向けてまだ多くの情報を処理する必要があり、そのために脳がより活発に働いているためです。情報処理が活性化されることで、記憶に残りやすくなります。

参考URL:
ツァイガルニク効果とは?意味や例、メリットやビジネスでの活用方法を解説 | ビジネスチャットならChatwork

ツァイガルニク効果のメリットとデメリット

メリット

記憶の向上

ツァイガルニク効果を利用することで、記憶を向上させることができます。例えば、覚えたい単語を覚える際に、中途半端に覚えたところで休憩を挟むと、その後に覚えなおした際に、中途半端な状態で覚えた単語の方が、最初から最後まで覚えた単語よりも記憶に残りやすいという研究結果があります。

モチベーションの向上

ツァイガルニク効果を利用することで、モチベーションを向上させることができます。例えば、仕事や勉強で中断したタスクを後から完了すると、達成感を得ることができ、モチベーションアップにつながります。

生産性の向上

ツァイガルニク効果を利用することで、生産性を向上させることができます。例えば、タスクを複数同時に行うのではなく、1つのタスクを最後までやり遂げることで、集中力が高まり、より効率的に作業を進めることができます。

デメリット

ストレスの増加

ツァイガルニク効果を利用することで、ストレスを増加させてしまう可能性があります。例えば、仕事や勉強で中断したタスクを後から完了するために、余計な時間や労力をかけてしまう場合、ストレスを感じてしまう可能性があります。

モチベーションの低下

ツァイガルニク効果を利用することで、モチベーションの低下を招く可能性があります。例えば、中断したタスクが難易度が高かった場合、完了できずにモチベーションが低下してしまう可能性があります。

無駄な作業の増加

ツァイガルニク効果を利用することで、無駄な作業が増えてしまう可能性があります。例えば、中断したタスクを後から完了するために、最初からやり直す必要があった場合、無駄な作業が増えてしまいます。

参考URL:
ツァイガルニク効果とは?ビジネスシーンでの事例やメリット、デメリットを解説 | Indeed (インディード)

ツァイガルニク効果の活用法

ツァイガルニク効果を活用することで、仕事や勉強などの効率を上げたり、マーケティングや広告に効果的に利用したりすることができます。

仕事や勉強での活用法

ツァイガルニク効果を仕事や勉強で活用するには、以下の方法が考えられます。

あえて途中で中断する

ツァイガルニク効果は、途中で中断された作業ほど記憶に残りやすいという効果です。そのため、重要な仕事や勉強は、あえて途中で中断して記憶に残しておくと、後から再開する際にスムーズに取り掛かることができます。

タスクを細かく分割する

大きなタスクを一度に取り組むよりも、小さなタスクに細かく分割して取り組んだ方が、途中で中断しやすく、ツァイガルニク効果を活用しやすくなります。

スケジュールを立てて取り組む

ツァイガルニク効果は、期限が近づくにつれて記憶に残りやすくなります。そのため、スケジュールを立てて取り組むことで、期限が迫るにつれて作業を進めやすくなり、効率を上げることができます。

マーケティングや広告での活用法

ツァイガルニク効果は、マーケティングや広告にも効果的に利用することができます。

興味をそそるキャッチコピーやタイトルを使う

ツァイガルニク効果は、未完了の状態に興味が惹かれるという効果もあります。そのため、興味をそそるキャッチコピーやタイトルを使うことで、ユーザーの興味を引きつけ、続きを読みたくなったり、商品を購入したくなったりする効果が期待できます。

途中で終わる動画やコンテンツを作る

ツァイガルニク効果は、途中で終わるコンテンツほど記憶に残りやすいという効果もあります。そのため、途中で終わる動画やコンテンツを作成することで、ユーザーの興味を引きつけ、続きを見たくなる効果が期待できます。

ツァイガルニク効果は、適切に活用することで、仕事や勉強、マーケティング、広告などさまざまな場面で効果を発揮することができます。ぜひ、さまざまなシーンで活用してみてください。

参考URL:
ツァイガルニク効果とは?タスクに活用する方法や対策 | HRコラム

ツァイガルニク効果の同義語、類義語、関連語、反対語

  • ツァイガルニック効果
  • ゼイガルニク効果
  • ゼイガルニック効果
  • ザイガニック効果