フィキシングソリューション効果とは、自分にとって印象や認識が弱い物事について、第三者の意見に影響されて、それについてハッキリとした認識を持ったり、判断できる状態になったりする心理効果です。別な呼び方では、定着液効果と言います。
この効果は、1970年代に、アメリカの心理学者であるロバート・A・ハリスによって提唱されました。ハリスは、被験者に、ある製品の評価をしてもらいました。その際に、被験者の半数には、製品の評価をすでに行った人の意見を、もう一方の半数には、製品の評価をまだ行っていない人の意見を、それぞれ見せました。
その結果、製品の評価をすでに行った人の意見を見せられた被験者の方が、製品の評価をまだ行っていない人の意見を見せられた被験者よりも、製品の評価を明確に持ったり、判断をしやすくなったことがわかりました。
フィキシングソリューション効果は、以下の3つの要因によって引き起こされると考えられています。
- 第三者の意見は、自分自身の意見を客観的に評価するための基準になる。
- 第三者の意見は、自分自身の意見を補強する役割を果たす。
- 第三者の意見は、自分自身の意見を修正する役割を果たす。
フィキシングソリューション効果は、ビジネスやマーケティングの分野で活用されています。例えば、商品やサービスの評価を、すでに購入した顧客の意見を基にすることで、顧客の購買意欲を高めることができます。また、商品やサービスのメリットを、第三者の意見を交えて伝えることで、商品やサービスの魅力をより効果的に伝えることができます。
フィキシングソリューション効果を活用する際には、以下の点に注意が必要です。
- 第三者の意見は、信頼できる人物の意見であることが重要。
- 第三者の意見は、客観的で中立的な意見であることが重要。
- 第三者の意見は、過剰に伝えすぎると、逆効果になる可能性がある。
フィキシングソリューション効果を効果的に活用することで、人の印象や好感度を高め、ビジネスや人間関係を円滑に進めることができます。