コンコルド効果(サンクコスト効果)とは、投資を進めると損失が出ると分かっていても、これまでに投資した分を惜しみ、ついつい投資継続してしまう心理的傾向のこと。サンクコスト(埋没費用)効果とも呼ばれます。
コンコルド効果(サンクコスト効果)の由来
コンコルド効果(サンクコスト効果)の由来は、1970年ごろにフランスとイギリスが共同開発した、超音速旅客機コンコルドです。マッハ2を超す速度を記録した同機は、定期国際航空路線に就航した唯一の超音速旅客機でした。
しかしコンコルドは、乗客定員数の少なさや燃費の悪さなどの問題から、採算が取れないことが開発途中で判明していました。それでも、イギリスとフランスの政府は、両国の技術力を示すために、コンコルドの開発を継続することを決定しました。
結果的に、コンコルドは1976年に就航しましたが、採算回収には至らず、2003年に運航を終了しました。コンコルドの開発と運航には、イギリスとフランスの政府が総額200億ドル以上を投入したとされています。
このように、コンコルドは、採算が取れないことが分かっていても、それまでの投資が無駄になることを惜しんで、事業を継続してしまった事例です。そのため、コンコルド効果(サンクコスト効果)は、そのような心理現象を指す言葉として使われるようになりました。
参考URL:
サンクコスト効果とは?どこよりも分かりやすい入門編 |マケフリ
コンコルド効果(サンクコスト効果)の具体例
以下に、コンコルド効果(サンクコスト効果)の具体例をご紹介します。
ギャンブル
パチンコや競馬などのギャンブルで負けてしまった場合、これまで使ったお金を取り返そうと、さらにギャンブルを続けてしまうことがあります。しかし、一発逆転はまれであり、結局はさらに損失を拡大させてしまうことになります。
ビジネス
新商品や新サービスの開発に失敗した場合、すでに投資したコストを惜しんで、開発を続けてしまうことがあります。しかし、開発を続けることがさらに損失を拡大させる場合もあります。
恋愛
相手から好意を寄せられていないのに、これまでかけた時間や労力を惜しんで、恋愛を続けることがあります。しかし、相手から好意を寄せられていない恋愛を続けることは、精神的な負担を大きくすることになります。
教育
自分の興味がない分野の勉強を、これまでかけた時間や労力を惜しんで、続けることがあります。しかし、自分の興味がない分野の勉強を続けることは、効率が悪く、成果が出にくい場合があります。
投資
損失を出している投資を、損失を取り返そうと、さらに投資を続けることがあります。しかし、損失を取り返そうと無理に投資を続けることは、さらに損失を拡大させる場合もあります。
家計
買い物で衝動買いしてしまったとき、すでに買ってしまった商品を無駄にしたくないという心理から、使わないまま保管してしまうことがあります。
参考URL:
サンクコスト効果とは?対策やマーケティング領域での活用例を解説 | Talknote Magazine
コンコルド効果(サンクコスト効果)の原因
コンコルド効果(サンクコスト効果)の原因は、以下の2つが挙げられます。
サンクコストの認知バイアス
サンクコストとは、投資や行動によってすでに発生した費用や時間など、回収不能な費用のことです。コンコルド効果(サンクコスト効果)では、このサンクコストを認知しようとせず、損失を回避するためにさらに投資や行動を続けてしまいます。
損失回避バイアス
損失回避バイアスとは、損失を回避しようとする心理傾向のことです。コンコルド効果(サンクコスト効果)では、損失を回避するために、損失を拡大させる行動をとってしまうことがあります。
参考URL:
サンクコスト効果とは? 回避&活用方法を徹底解説! – STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習
コンコルド効果(サンクコスト効果)のデメリット
コンコルド効果(サンクコスト効果)の効果は、以下のデメリットをもたらします。
損失の拡大
コンコルド効果(サンクコスト効果)に陥ると、すでに投資したコストを回収したいという気持ちから、さらなる投資をしてしまうことがあります。しかし、すでに投資したコストは、たとえいくら投資をしても回収することはできません。そのため、さらなる投資によって、損失が拡大してしまう可能性があります。
判断の歪み
コンコルド効果(サンクコスト効果)に陥ると、客観的に物事を判断することができなくなってしまいます。そのため、本来であれば撤退すべきプロジェクトや事業を継続してしまうなど、間違った判断をしてしまう可能性があります。
機会損失
コンコルド効果(サンクコスト効果)に陥ると、本来であれば他のことに投資すべきコストを、すでに失敗してしまったプロジェクトや事業に費やしてしまう可能性があります。そのため、他のプロジェクトや事業の成功の機会を失ってしまう可能性があります。
参考URL:
サンクコストの意味や活用事例、対策などについて解説 | THE OWNER
コンコルド効果(サンクコスト効果)の対処法
コンコルド効果(サンクコスト効果)に対処するためには、以下の方法が有効です。
損切りをする
損切りとは、損失を確定させて、その損失を将来のコストと比較して判断しないことです。すでに損失が出ているプロジェクトや計画は、早めに損切りすることで、さらなる損失を抑えることができます。
ゼロベース思考で考える
ゼロベース思考とは、過去の経験や知識にとらわれず、常に一から考え直す思考法です。コンコルド効果(サンクコスト効果)は、過去のコストが損失として認められないために起こります。そのため、ゼロベース思考で考えることで、過去のコストは過去のものとして捉え、現在と将来のコストと比較して判断することができます。
損益を計算する
損益を計算することで、プロジェクトや計画の収益性や費用対効果を客観的に判断することができます。すでに損失が出ているプロジェクトや計画は、損益を計算することで、継続するべきかどうかを判断しやすくなります。
参考URL:
サンクコスト効果とは。コンコルド効果と同じ?日常生活やビジネスシーンでの例 | MarkeTRUNK
コンコルド効果(サンクコスト効果)の同義語、類義語、関連語、反対語
- コンコルドの誤謬
- コンコルドの過ち
- コンコルドの誤り
- コンコルドの誤信
- コンコルド錯誤
- サンクコスト効果
- サンクコストバイアス
- 埋没費用効果