ゲシュタルトの法則とは、人間が視覚情報を知覚する際に、全体性やまとまりのある構造を認識する傾向があるという法則です。
ゲシュタルト心理学においては、人間の精神は、部分や要素の集合ではなく、全体性や構造に重点を置いて捉えられるとされています。ゲシュタルトの法則は、こうしたゲシュタルト心理学の考え方を基に、人間の視覚知覚の特徴を説明するものです。
ゲシュタルトの法則は、大きく分けて以下の7つに分類されます。
近接の法則
近い位置にあるものは、同じグループとして認識されやすい。
類似の法則
似たような形状や色、大きさのものは、同じグループとして認識されやすい。
閉合の法則
閉じた図形は、開いた図形よりも、まとまりのあるグループとして認識されやすい。
共通運命の法則
同じ方向に動いているものや、同じ変化をしているものは、同じグループとして認識されやすい。
面積の法則
面積の大きいものは、面積の小さいものに比べて、まとまりのあるグループとして認識されやすい。
対称の法則
対称的なものは、非対称的なものよりも、まとまりのあるグループとして認識されやすい。
これらの法則は、私たちの日常生活において、さまざまな場面で働いています。たとえば、道路標識や看板のデザイン、商品のパッケージデザイン、ウェブサイトのデザインなどにおいて、これらの法則を意識することで、視覚的に分かりやすく、印象に残りやすいデザインを作成することができます。
また、ゲシュタルトの法則は、心理学や認知科学の研究においても、重要な役割を果たしています。たとえば、視覚障害者の認知や、芸術作品の鑑賞などの研究において、ゲシュタルトの法則は重要な視点として用いられています。