自我消耗仮説

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自我消耗仮説とは?

自我消耗仮説(じこしょうもうかっかい)は、心理学における理論的な仮説であり、個人の自制力や意志力の使用によって自己のエネルギーが消耗されると主張しています。この仮説は、心理的なタスクや課題に取り組むことが継続的な意思決定や認知的な制御を要求する場合に、自己のエネルギー資源が減少し、行動のパフォーマンスが低下することを示唆しています。

自我消耗仮説は、心理的な自制力が有限のリソースであると考える観点から出発しています。自制力を必要とする活動や課題に取り組むと、自制力の使用がエネルギーを消耗させ、他の課題において自制力の資源が減少するとされています。つまり、自制力を使い果たすことによって、後続の課題や認知的なタスクのパフォーマンスが低下する可能性があるという考え方です。

自我消耗仮説の一例として、実験的な研究があります。たとえば、研究参加者に自制力を必要とするタスク(例:誘惑に耐える課題)を与え、その後に別の自制力を必要とするタスク(例:課題の遂行)を行わせると、最初のタスクに取り組んだグループは、取り組まなかったグループよりも後続のタスクで低いパフォーマンスを示す傾向が見られます。

ただし、近年の研究では自我消耗仮説に対して批判的な視点も出されています。一部の研究は、自我消耗効果の存在や大きさについて疑問を呈し、他の要因(例:モチベーション、信念、期待など)がパフォーマンスの低下に影響を与える可能性を示唆しています。

したがって、自我消耗仮説は依然として研究や議論の対象であり、個人のエネルギー資源や自制力の限界について理解する上で重要な観点を提供しています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%88%91%E6%B6%88%E8%80%97