実験」タグアーカイブ

ソーンダイクの問題箱実験とは、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが1898年に行った実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

ソーンダイクの問題箱実験とは、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが1898年に行った実験です。この実験では、猫を問題箱と呼ばれる箱に入れ、餌を箱の外側に置き、猫が箱から脱出するまでの間、猫の行動を観察しました。

問題箱は、餌が置かれている場所につながる扉が付いています。この扉を開けるための方法は、箱によって異なります。例えば、扉の前に輪がぶら下がっていて、それを引っ張ることで扉が開くものや、扉の上にフックがあって、それを引っ張ることで扉が開くものなどがあります。

ソーンダイクの実験の結果、猫は最初は箱から脱出する方法がわからず、さまざまな行動を試行錯誤します。そのうち、偶然に正しい行動をとると、餌が得られ、猫は満足します。そして、この経験を積み重ねることで、猫は箱から脱出する方法を学習していきます。

ソーンダイクはこの実験から、学習は試行錯誤の結果であり、正しい行動をとると、その行動が強化されることで学習が促進されることを明らかにしました。この学習の原理は、後に「試行錯誤学習」または「道具的条件づけ」と呼ばれるようになりました。

ソーンダイクの問題箱実験は、学習心理学における重要な実験であり、その後の学習研究に大きな影響を与えました。

参考URL:
ソーンダイクの問題箱実験とは?猫を使った実験内容をわかりやすく解説 | やさびと心理学

聖金曜日の実験は、1962年の聖金曜日、すなわち4月20日にボストン大学のマーシュ礼拝堂で行われた実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

聖金曜日の実験は、1962年の聖金曜日、すなわち4月20日にボストン大学のマーシュ礼拝堂で行われた実験です。ハーバード神学校の神学の大学院生であったウォルター・パンケが、ハーバード・シロシビン計画とティモシー・リアリーの監督のもとで実験を計画しました。

実験では、20人の被験者を2つのグループに分け、片方のグループにはシロシビンを含むカプセルを、もう一方のグループにはプラセボ(偽薬)を服用させました。シロシビンは、幻覚作用のある向精神薬です。

実験の結果、シロシビンを服用したグループの被験者は、プラセボを服用したグループの被験者よりも、宗教的体験や神とのつながりを感じたと報告しました。具体的には、以下のような体験を報告しました。

神の存在や愛を感じた
人生の意味や目的を理解した
他の人とのつながりを感じた
自然の美しさに感動した
この実験は、シロシビンが宗教的体験や神とのつながりを引き起こす可能性を示唆するものとして、注目を集めました。

なお、この実験は倫理的な問題も指摘されています。被験者は、シロシビンの副作用として、不安や幻覚などの症状を経験する可能性があることを知らされていました。しかし、実際には、被験者の中には、これらの症状を強く経験し、実験を中断した人もいました。

近年、シロシビンの精神療法への応用が注目されています。聖金曜日の実験は、シロシビンが精神療法において有効な薬物である可能性を示唆するものです。

参考URL:
マーシュ礼拝堂の実験 - Wikiwand

問題解決実験における幻覚剤とは、環境的な支援を受けた上で幻覚剤を使用することが、専門的な問題の解決における能力を向上させることができるかを評価するために実施される研究

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

問題解決実験における幻覚剤とは、環境的な支援を受けた上で幻覚剤を使用することが、専門的な問題の解決における能力を向上させることができるかを評価するために実施される研究です。

幻覚剤は、セロトニン2A受容体に作用する薬物であり、意識や知覚に変化をもたらすことで知られています。近年、幻覚剤が創造性や問題解決能力を向上させる可能性があることが、いくつかの研究で示唆されています。

問題解決実験における幻覚剤の研究では、被験者に幻覚剤を投与した後に、専門的な問題の解決課題に取り組んでもらいます。課題の難易度は、被験者の専門分野や能力に合わせて調整されます。

研究の結果、幻覚剤を投与した被験者は、課題をより創造的かつ効率的に解決できることが示されました。具体的には、以下の効果が報告されています。

  • 抑制と不安が少ないこと
  • 大きな文脈で問題を再構成する能力
  • 観念形成が円滑かつ柔軟に行えること
  • 視覚的なイメージと空想を想起する能力の増大
  • 集中力の向上
  • 外的過程と対象への共感性の向上
  • 他者への共感の高まり
  • 潜在意識化の情報を取り出しやすくなったこと
  • 異なる概念のつながり
  • 完成した解決策を思い浮かべることによる達成動機の高まり

これらの効果は、幻覚剤が脳の認知機能を変化させることで引き起こされると考えられています。例えば、幻覚剤は、創造性に関連する脳領域の活動を活性化することが示唆されています。

ただし、問題解決実験における幻覚剤の研究はまだ初期段階であり、さらなる研究が必要です。幻覚剤の安全性や副作用についても、慎重に検討する必要があります。

なお、幻覚剤は日本で未承認の薬物であり、医師の処方を受けずに使用することは違法です。

参考URL:
問題解決実験における幻覚剤 - Wikipedia

見えないゴリラの実験とは、1999年にアメリカの心理学者であるチャールズ・チャブリスとダニエル・シーゲルによって行われた実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

見えないゴリラの実験とは、1999年にアメリカの心理学者であるチャールズ・チャブリスとダニエル・シーゲルによって行われた実験です。この実験では、被験者にバスケットボールのパスをする2チームの動きを見てもらい、白いシャツを着たチームのパスの数を数えるように指示しました。すると、その途中でゴリラの着ぐるみを着た人物がコートの中を歩いていても、42%の被験者が気付かないという結果が出ました。

この実験は、人間の認知において、注目している対象以外の情報は容易に見落とされてしまうことを示しています。この現象は、「非注意性盲目(Inattentional Blindness)」と呼ばれています。

非注意性盲目は、日常生活でも起こり得る現象です。例えば、歩きながら会話に夢中になっていると、目の前で車が通っていたことに気付かなかったり、仕事に集中していると、周囲の同僚の様子に気付かなかったりすることが考えられます。

非注意性盲目を防ぐためには、注意を集中する対象を変えたり、周囲の状況に注意を払ったりするように心がけることが大切です。

見えないゴリラの実験は、人間の認知の限界を示す興味深い実験です。この実験から、私たちは、自分が注意を払っている対象以外の情報は、容易に見落とされてしまう可能性があるということを認識しておく必要があります。

参考URL:
Webマーケティングでも注意すべきインビジブルゴリラ(見えないゴリラ)現象とは | 株式会社Sprocket

ラタネとダーリーの実験とは、1968年にアメリカの心理学者であるラタネとダーリーによって行われた実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

ラタネとダーリーの実験とは、1968年にアメリカの心理学者であるラタネとダーリーによって行われた実験です。この実験では、ニューヨーク大学の学生を被験者とし、ある緊急事態が発生したときに、傍観者が援助行動を起こすかどうかを調べました。

実験では、被験者は2人、3人、6人のグループに分けられ、それぞれ個室に通されて、マイクとインターフォンを使って順番に発言、討論をするという説明を受けました。その間に、一人の被験者が「苦しんでいる」という演技をします。

その結果、2人組のグループでは、100%の被験者が援助行動を起こしたのに対し、6人組のグループでは、62%の被験者が援助行動を起こさなかったことがわかりました。

この結果から、傍観者が多いほど、援助行動が起こりにくくなることが示されました。この現象は「傍観者効果」と呼ばれています。

傍観者効果が生じる原因としては、以下の3つが考えられます。

  • 責任の分散:傍観者が多いと、誰かが助けるだろうという心理が働き、個人の責任が分散されます。
  • 聴衆抑制:傍観者が多いと、自分の行動が他の人に見られているという意識が働き、行動を抑制する心理が働きます。
  • 多元的無知:傍観者が多いと、他の人が助けていないことから、事態が緊急ではないと誤解する心理が働きます。

傍観者効果は、社会心理学において重要な概念の一つです。この効果を理解することで、緊急事態において援助行動を促進するための方法を検討することができます。

なお、ラタネとダーリーの実験は、その後も様々な条件で行われ、傍観者効果が普遍的に存在することが示されています。また、この効果は、年齢や性別、文化によっても影響を受けることが明らかになっています。

参考URL:
傍観者効果 - Wikipedia

3人のキリスト実験は、1959年から1961年にかけて、ミシガン州イプシランティの州立病院で、精神科医のミルトン・ロッキーチが行った心理学的実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

3人のキリスト実験は、1959年から1961年にかけて、ミシガン州イプシランティの州立病院で、精神科医のミルトン・ロッキーチが行った心理学的実験です。ロッキーチは、自分がイエス・キリストだと信じている3人の妄想型統合失調症患者を、同室で生活させ、互いの主張をぶつけ合わせることで、彼らの精神状態を改善しようとしました。

3人の患者は、以下のとおりです。

  • ジョセフ・マーティン:30歳の男性。キリストが復活して、再び地上に降臨したと信じています。

  • クライド・ベイリー:23歳の男性。自分がイエスの弟子であり、救世主の役割を果たすために遣わされたと信じています。

  • リオン・ルイス:21歳の男性。自分がイエスの生まれ変わりであり、世界を救うために再び現れたと信じています。

ロッキーチは、3人の患者を同室にすることで、彼らが互いの主張に矛盾や不整合があることに気づき、自分の信念を疑い始めるだろうと考えました。また、彼らが互いに助け合うことで、精神状態が改善されるのではないかとも考えました。

実験は2年間にわたって行われましたが、3人の患者の信念は変化しませんでした。むしろ、彼らは互いに対立し、仲違いを深めるようになりました。ロッキーチは実験を中止し、3人の患者は別の病院に移送されました。

この実験は、精神疾患の治療法として、対立や仲違いを促す方法が有効であるという考えを支持するものとはなりませんでした。しかし、妄想型統合失調症患者の信念の強さを示すものとして、注目を集めています。

参考URL:
イプシランティの3人のキリスト - Wikipedia

アルバート坊やの実験は、1920年にジョン・B・ワトソンとロバート・R・ワイアットによって行われた心理学実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

アルバート坊やの実験は、1920年にジョン・B・ワトソンとロバート・R・ワイアットによって行われた心理学実験です。この実験では、生後11ヶ月の乳児であるアルバート坊やを対象に、古典的条件づけを用いて恐怖反応を学習させるという実験が行われました。

実験では、アルバート坊やに白いラットを提示しました。すると、アルバート坊やはラットを興味深そうに見つめ、何も恐怖反応を示さませんでした。次に、ラットを提示する際に、大きな音を同時に鳴らしました。すると、アルバート坊やは大きな音に驚いて泣き出しました。

この実験を5回繰り返した結果、アルバート坊やはラットを見ただけで泣き出すようになりました。つまり、ラットという中性刺激が、大きな音という無条件刺激と対提示されることで、恐怖反応を引き起こす条件刺激へと変化したのです。

この実験は、古典的条件づけによって恐怖反応を学習させることができることを証明した画期的な実験でした。しかし、この実験は倫理的に問題があるとも指摘されています。アルバート坊やは、無条件刺激である大きな音によって強い恐怖反応を学習させられたため、その後もラットや毛皮などの似たようなものを恐怖するようになったと考えられます。

アルバート坊やの実験は、心理学における古典的条件づけの研究に大きな影響を与えました。しかし、この実験の倫理的な問題は、現在でも議論の対象となっています。

参考URL:
発達心理学でもっとも有名な実験:アルバート坊や| 同志社大学 赤ちゃん学研究センター

スキナー箱の実験は、アメリカの心理学者、行動科学者であるバラス・スキナーによって開発された実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

スキナー箱の実験は、アメリカの心理学者、行動科学者であるバラス・スキナーによって開発された実験です。スキナー箱は、主にラットやハトのオペラント条件づけや行動研究に用いられます。

スキナー箱は、基本的に、小動物を閉じ込めて、その行動を観察するための装置です。箱の中には、レバーやボタンなどの操作装置があり、その操作によって、小動物に餌や水などの報酬を与えることができます。

スキナー箱の実験では、小動物がレバーやボタンを押すなどの行動を繰り返すことで、報酬を得ることを学習させます。この学習を「オペラント条件づけ」と呼びます。

スキナー箱の実験では、さまざまな条件を変えることで、小動物の行動をコントロールすることができます。例えば、報酬を出す頻度を変えることで、小動物の行動の頻度や持続性を変化させることができます。

スキナー箱の実験は、動物の行動研究だけでなく、人間の行動研究にも応用されています。例えば、教育や訓練、マーケティングなどの分野で、スキナー箱の実験に基づいた手法が用いられています。

スキナー箱の実験の代表的な例としては、以下のような実験が挙げられます。

  • レバーを押すと餌が出るスキナー箱に入れられたラットの場合、ラットは次第にレバーを押す行動を繰り返すようになります。これは、レバーを押す行動が報酬(餌)によって強化されるためです。

  • 特定の色のボタンを押すと餌が出るスキナー箱に入れられたハトの場合、ハットは次第にその色のボタンを押す行動を繰り返すようになります。これは、特定の色のボタンを押す行動が報酬(餌)によって強化されるためです。
    スキナー箱の実験は、行動学の発展に大きく貢献した実験です。この実験によって、行動の学習や変化に関する多くの知見が得られました。

参考URL:
スキナー箱の実験とは?実験方法・結果・強化学習のしくみを簡単に解説 | やさびと心理学

サードウェイブ実験は、1967年にアメリカ合衆国カリフォルニア州の高校で行われた社会学実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

サードウェイブ実験は、1967年にアメリカ合衆国カリフォルニア州の高校で行われた社会学実験です。 高校の歴史教師であるロン・ジョーンズ氏が、第二次世界大戦中にドイツ人がナチス政権の政策をどのように受け入れることができたのかを説明するために実施しました。

実験は、ジョーンズ氏がクラスの生徒に「サードウェイブ」という擬似組織を創設することから始まりました。ジョーンズ氏は、この組織は民主主義の欠点を克服し、より良い社会を築くために作られたものだと生徒たちに説明しました。

ジョーンズ氏は、クラスの生徒に規律、団結、行動、誇りを重んじる価値観を教えました。生徒たちは、サードウェイブの象徴である右腕を突き上げる敬礼をしたり、黒いシャツを着たりするようになりました。

実験は、わずか6日間で終了しました。しかし、その間、サードウェイブは生徒たちの間で急速に広まり、強い影響力を持つようになりました。一部の生徒は、サードウェイブの目的を疑問視したり、脱退したりしましたが、多くの生徒は、サードウェイブの理念に心酔していました。

実験終了後、ジョーンズ氏は、サードウェイブがわずか6日間でこれほどまでに影響力を持つようになったことに驚き、恐怖を感じました。彼は、この実験が、権威主義的な集団がどのようにして人々の心を掌握することができるかを示すものであると結論づけました。

サードウェイブ実験は、権威主義的な集団がどのようにして人々の心を掌握することができるかを示す重要な実験です。この実験は、民主主義の価値観を守るために、人々が権威主義的な集団に警戒しなければならないことを示しています。

参考URL:
サードウェイブ実験 - Wikipedia

ブアメードの水滴実験は、1883年にオランダで行われた実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

ブアメードの水滴実験は、1883年にオランダで行われた実験です。

国事犯のブアメードを被験者として、彼の血液を抜き取って、どのくらい血液を失うと死ぬかを調べるというものでした。

しかし、実際にはブアメードの血液は1滴も抜き取られず、ただ水滴の音を流して、彼に血液を失っていると思い込ませました。

そして、ブアメードに「血液の3分の1を失うと死ぬ」と暗示を繰り返しました。

その結果、実験開始から約10時間後、ブアメードは死亡しました。

この実験は、思い込みによって人の健康や命に影響を与える可能性を示した、有名な実験です。

この実験は、プラシーボ効果と呼ばれる現象によって引き起こされたと考えられています。

プラシーボ効果とは、有効な薬や治療ではないにも関わらず、患者に効果があると信じ込ませることで、実際に効果が現れる現象です。

ブアメードの場合も、彼は血液を失っていると思い込んだことで、体にストレスがかかり、ショック死に至ったと考えられます。

この実験は、医療においても重要な意味を持っています。

医師は、患者に効果があると信じ込ませることで、治療の効果を高めることができる可能性があるからです。

また、逆に、患者に不安や恐怖を与えてしまうと、思わぬ結果を招く可能性もあります。

医師は、患者の心理状態を十分に理解した上で、治療を行う必要があるのです。

参考URL:
ブアメードの血・ノーシーボ効果 | embryo

ミルグラム実験とは、権威者の命令に従う人間の心理を調べるために行われた実験で、権威者の命令に従って被験者がどの程度まで生徒役に電気ショックを与えるのかを測定するというもの

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

ミルグラム実験とは、権威者の命令に従う人間の心理を調べるために行われた実験で、権威者の命令に従って被験者がどの程度まで生徒役に電気ショックを与えるのかを測定するというもの。

1961年から1963年にかけて、アメリカの社会心理学者スタンレー・ミルグラムによって行われました。

ミルグラム実験の内容

ミルグラム実験は、ニューヨークとニューヨーク近郊の大学や職場から募集した白人男性の被験者80名を対象に行われました。被験者は、実験と称して「体罰と学習効果の測定」に参加させられました。

実験では、被験者は「教師役」となり、隣室にいる「生徒役」に質問をします。生徒役の回答が間違っていた場合、被験者は実験者の指示に従い、電気ショックを与えるよう指示されます。電気ショックの強さは、15ボルトから300ボルトまで15段階に設定されており、最も強い電気ショックを与えると「XXX」と表示され、致命傷となることが示されていました。

実験の結果、被験者の90%が、最高電圧の300ボルトを与える指示に従いました。また、被験者は、電気ショックを与えることに徐々に抵抗感を示すものの、実験者の指示に従い続ける傾向が見られました。

参考URL:
ミルグラムの電気ショック実験 | 日本心理学会

ミルグラム実験の教訓

ミルグラム実験から得られる教訓は、以下の3つです。

人間は権威者の命令に従う傾向が強い

ミルグラム実験では、教師役は生徒役に電気ショックを与えるという非倫理的な行為を行うことを求められていました。しかし、教師役は権威者である実験者の命令に従い、生徒役に電気ショックを与え続けました。このことから、人間は権威者の命令に従う傾向が強く、非倫理的な行為であっても、権威者の命令があれば従ってしまう可能性があることが示されています。

状況によって人は変わる

ミルグラム実験では、教師役は実験室という特殊な状況下で実験に参加していました。この状況下では、教師役は実験者という権威者の存在に圧倒され、本来の自分とは異なる行動を取ってしまったと考えられます。つまり、人は状況によって変わる可能性があり、本来の自分の価値観や信念を押し切って、非倫理的な行為に走ってしまう可能性があるということです。

人は誰でも加害者になる可能性がある

ミルグラム実験の結果は、誰もが加害者になる可能性があることを示しています。教師役は、普通の市民であり、非倫理的な行為を意図して実験に参加したわけではありません。しかし、権威者の命令に従うという状況下で、非倫理的な行為に手を染めてしまいました。このことから、人は誰でも加害者になる可能性があるということを認識しておくことが重要です。

参考URL:
権威者の指示なら、「9割」の人々が電気ショックのボタンを押し続ける:現代版「ミルグラムの実験」で明らかに | WIRED.jp

ミルグラム実験のきっかけになったアイヒマンとは?

ミルグラム実験のきっかけになったアイヒマンとは、ナチスドイツのユダヤ人虐殺の責任者であるアドルフ・アイヒマンです。アイヒマンは、1934年にナチス党に入党し、1941年にはユダヤ人移送計画の責任者として、東欧地域数百万人のユダヤ人を絶滅収容所へ送り込む役割を担いました。

1961年、アイヒマンはイスラエルで裁判にかけられ、死刑判決を受けました。裁判において、アイヒマンは「命令に従っただけだ」と主張しました。この主張は、当時大きな議論を呼びました。

社会心理学者のスタンレー・ミルグラムは、アイヒマンの主張を検証するために、1961年から1964年にかけて、権威者の指示に従って他者に危害を加える人々の割合を調べる実験を行いました。この実験は、後に「ミルグラム実験」と呼ばれるようになりました。

参考URL:
指示されると責任を感じない | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

ミルグラム実験の同義語、類義語、関連語、反対語

  • ミルグラム効果
  • ミルグラムの服従実験
  • アイヒマン実験
  • アイヒマン効果
  • アイヒマンテスト
  • エージェント状態

スタンフォード監獄実験とは、一般人を看守役と囚人役に分け、刑務所に似せた施設で生活させ、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

スタンフォード監獄実験とは、一般人を看守役と囚人役に分け、刑務所に似せた施設で生活させ、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験です。

1971年に心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導の下、アメリカのスタンフォード大学で行われました。

スタンフォード監獄実験の概要

スタンフォード監獄実験の概要をまとめると、以下のようになります。

  • 1971年8月14日から20日まで、アメリカ・スタンフォード大学心理学部で行われた。
  • 新聞広告などで集めた心身ともに健康な21人の被験者を、看守役11人と囚人役10人に分け、刑務所に似せた施設で生活させた。
  • 看守役には囚人役を厳しく管理するよう指示し、囚人役には看守役の命令に従うよう指示した。
  • 実験開始からわずか2日後には、看守役が囚人役に暴力を振るうなどの問題が発生し始め、6日目には、囚人役の一人が精神的苦痛を訴えて実験から脱退。7日目には、実験責任者であるフィリップ・ジンバルドー博士も実験の危険性を認識し、実験を中止した。

参考URL:
スタンフォード監獄実験 - Wikipedia

スタンフォード監獄実験の結果

実験の結果について、説明します。

看守役の行動

看守役は、囚人役を厳しく管理し、時に暴力を振るうようになりました。具体的には、以下の行動が観察されました。

  • 囚人役に過酷な労働を強制する。
  • 囚人役のプライバシーを侵害する。
  • 囚人役を侮辱や威嚇する。
  • 囚人役に暴力を振るう。

看守役は、囚人役を「犯罪者」と見なすようになり、彼らを懲らしめることが自分の役割だと信じるようになりました。そのため、囚人役に対して厳しく接するようになり、時に暴力を振るうことも厭わなかったようです。

囚人役の行動

囚人役は、看守役の命令に従い、服従するようになりました。具体的には、以下の行動が観察されました。

  • 看守役の命令に逆らわない。
  • 看守役の命令に従って、自分の尊厳を傷つけるような行為を行う。
  • 抑うつや不安などの精神的苦痛を訴える。

囚人役は、看守役に対して恐怖や不安を感じるようになり、彼らの命令に従うことが自分の身を守る唯一の方法だと信じるようになりました。そのため、看守役の命令に従い、時には自分の尊厳を傷つけるような行為も行うようになったようです。

参考URL:
スタンフォード監獄実験とは?実験内容・結果・その後をわかりやすく解説 | やさびと心理学

スタンフォード監獄実験から得られた教訓

この実験から得られた教訓は、以下の2つです。

  • 人は権威者に対して服従する傾向がある。
  • 役割によって人間の行動は大きく変わる。

権威への服従

この実験は、ミルグラム実験と同様に、人は権威者に対して服従する傾向があることを示唆しています。看守役の被験者は、実験の監督者であるフィリップ・ジンバルドー教授から権威を与えられており、その権威に応えるために、過激な行為に走ってしまったと考えられます。

役割の重要性

この実験は、役割によって人間の行動は大きく変わることを示唆しています。受刑者役の被験者は、監獄という役割に応じて、抑圧された状態に陥ってしまいました。また、看守役の被験者は、看守という役割に応じて、残虐な行為を行うようになりました。

これらの教訓は、私たちの日常生活にも当てはまります。例えば、職場や学校では、私たちはそれぞれ役割を担っています。その役割に応じて、私たちの行動は大きく変わる可能性があります。

また、この実験は、権威主義的な社会や組織において、どのような問題が生じる可能性があるかを示すものとして、重要な意味を持っています。

参考URL:
「スタンフォード監獄実験」というヤバすぎる心理学実験とは?

スタンフォード監獄実験に対する批判

スタンフォード監獄実験には、以下のような批判もされています。

実験の妥当性

この実験は、被験者がごく普通の大学生であったことから、実験結果を一般社会に当てはめることができるのか、という批判があります。また、実験の環境があまりにも不自然であったため、被験者の行動が実験の状況に影響されたのではないか、という批判もあります。

実験者の影響

実験者のジンバルドーは、看守たちに厳しい態度をとるよう指示していました。そのため、看守たちのサディスティックな行動は、実験者の意図的な影響によるものではないか、という批判があります。

需要バイアス

被験者は、実験の目的を知らされていました。そのため、被験者が実験者を満足させようと、望ましい行動をとったのではないか、という批判があります。

これらの批判は、スタンフォード監獄実験の結果をそのまま受け入れることはできないことを示しています。

参考URL:
スタンフォード監獄実験にもちあがった“ねつ造疑惑” 「人間はたやすく邪悪な存在に変わる」説は本当か? | 文春オンライン

スタンフォード監獄実験の同義語、類義語、関連語、反対語

  • 権力への服従
  • 非個人化
  • ルシファー効果
  • ミルグラム実験
  • アイヒマン実験