3人のキリスト実験は、1959年から1961年にかけて、ミシガン州イプシランティの州立病院で、精神科医のミルトン・ロッキーチが行った心理学的実験

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3人のキリスト実験は、1959年から1961年にかけて、ミシガン州イプシランティの州立病院で、精神科医のミルトン・ロッキーチが行った心理学的実験です。ロッキーチは、自分がイエス・キリストだと信じている3人の妄想型統合失調症患者を、同室で生活させ、互いの主張をぶつけ合わせることで、彼らの精神状態を改善しようとしました。

3人の患者は、以下のとおりです。

  • ジョセフ・マーティン:30歳の男性。キリストが復活して、再び地上に降臨したと信じています。

  • クライド・ベイリー:23歳の男性。自分がイエスの弟子であり、救世主の役割を果たすために遣わされたと信じています。

  • リオン・ルイス:21歳の男性。自分がイエスの生まれ変わりであり、世界を救うために再び現れたと信じています。

ロッキーチは、3人の患者を同室にすることで、彼らが互いの主張に矛盾や不整合があることに気づき、自分の信念を疑い始めるだろうと考えました。また、彼らが互いに助け合うことで、精神状態が改善されるのではないかとも考えました。

実験は2年間にわたって行われましたが、3人の患者の信念は変化しませんでした。むしろ、彼らは互いに対立し、仲違いを深めるようになりました。ロッキーチは実験を中止し、3人の患者は別の病院に移送されました。

この実験は、精神疾患の治療法として、対立や仲違いを促す方法が有効であるという考えを支持するものとはなりませんでした。しかし、妄想型統合失調症患者の信念の強さを示すものとして、注目を集めています。

参考URL:
イプシランティの3人のキリスト - Wikipedia