デシの実験とは、アメリカの心理学者エドワード・L・デシによって行われた、内発的動機づけと外発的動機づけに関する実験です。1969年に、当時流行っていた「ソマ・パズル」を使い、2つのグループの学生にパズルを解かせました。
1つのグループには、パズルを解くと1ドルの報酬がもらえることを告げました。もう1つのグループには、パズルを解く理由は特に告げませんでした。
結果、1ドルの報酬がもらえたグループは、パズルを解く時間が短くなり、自由時間にパズルに取り組む意欲も低くなりました。一方、報酬がもらえなかったグループは、パズルを解く時間も長く、自由時間にもパズルに取り組む意欲が高い結果となりました。
この実験から、デシは、内発的動機づけは、報酬を与えることで減退する可能性があることを示しました。これを「アンダーマイニング効果」と呼んでいます。
デシの実験は、教育やビジネスなど、さまざまな分野で影響を与えています。例えば、教育においては、子どもの興味や関心を尊重し、内発的動機づけを高めることが重要であると考えられるようになりました。また、ビジネスにおいては、従業員のモチベーションを高めるために、報酬だけでなく、達成感や成長感などの内発的な動機づけを重視する考え方が広まっています。
デシの実験は、内発的動機づけと外発的動機づけに関する重要な知見を与えてくれた実験と言えます。