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デシの実験

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デシの実験とは、アメリカの心理学者エドワード・L・デシによって行われた、内発的動機づけと外発的動機づけに関する実験です。1969年に、当時流行っていた「ソマ・パズル」を使い、2つのグループの学生にパズルを解かせました。

1つのグループには、パズルを解くと1ドルの報酬がもらえることを告げました。もう1つのグループには、パズルを解く理由は特に告げませんでした。

結果、1ドルの報酬がもらえたグループは、パズルを解く時間が短くなり、自由時間にパズルに取り組む意欲も低くなりました。一方、報酬がもらえなかったグループは、パズルを解く時間も長く、自由時間にもパズルに取り組む意欲が高い結果となりました。

この実験から、デシは、内発的動機づけは、報酬を与えることで減退する可能性があることを示しました。これを「アンダーマイニング効果」と呼んでいます。

デシの実験は、教育やビジネスなど、さまざまな分野で影響を与えています。例えば、教育においては、子どもの興味や関心を尊重し、内発的動機づけを高めることが重要であると考えられるようになりました。また、ビジネスにおいては、従業員のモチベーションを高めるために、報酬だけでなく、達成感や成長感などの内発的な動機づけを重視する考え方が広まっています。

デシの実験は、内発的動機づけと外発的動機づけに関する重要な知見を与えてくれた実験と言えます。

https://www.earthship-c.com/psychology/edward-l-deci/

サードウェイブ実験は、1967年にアメリカ合衆国カリフォルニア州の高校で行われた社会学実験

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サードウェイブ実験は、1967年にアメリカ合衆国カリフォルニア州の高校で行われた社会学実験です。 高校の歴史教師であるロン・ジョーンズ氏が、第二次世界大戦中にドイツ人がナチス政権の政策をどのように受け入れることができたのかを説明するために実施しました。

実験は、ジョーンズ氏がクラスの生徒に「サードウェイブ」という擬似組織を創設することから始まりました。ジョーンズ氏は、この組織は民主主義の欠点を克服し、より良い社会を築くために作られたものだと生徒たちに説明しました。

ジョーンズ氏は、クラスの生徒に規律、団結、行動、誇りを重んじる価値観を教えました。生徒たちは、サードウェイブの象徴である右腕を突き上げる敬礼をしたり、黒いシャツを着たりするようになりました。

実験は、わずか6日間で終了しました。しかし、その間、サードウェイブは生徒たちの間で急速に広まり、強い影響力を持つようになりました。一部の生徒は、サードウェイブの目的を疑問視したり、脱退したりしましたが、多くの生徒は、サードウェイブの理念に心酔していました。

実験終了後、ジョーンズ氏は、サードウェイブがわずか6日間でこれほどまでに影響力を持つようになったことに驚き、恐怖を感じました。彼は、この実験が、権威主義的な集団がどのようにして人々の心を掌握することができるかを示すものであると結論づけました。

サードウェイブ実験は、権威主義的な集団がどのようにして人々の心を掌握することができるかを示す重要な実験です。この実験は、民主主義の価値観を守るために、人々が権威主義的な集団に警戒しなければならないことを示しています。

参考URL:
サードウェイブ実験 - Wikipedia

ジャムの実験とは、1995年にコロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によって行われた実験

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ジャムの実験とは、1995年にコロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によって行われた実験です。この実験では、スーパーマーケットのジャム売り場に、24種類のジャムと6種類のジャムを陳列し、消費者の行動を観察しました。

その結果、24種類のジャムが陳列された売り場では、試食をした人の割合は6種類のジャムが陳列された売り場よりも高かったものの、実際に購入した人の割合は6種類のジャムが陳列された売り場よりも低いという結果になりました。

この結果から、アイエンガー教授は、選択肢が多すぎると、消費者は「どのジャムが自分に合っているか」という判断に時間と労力を割くことになり、結果として購入を先延ばしにしたり、購入を諦めたりする可能性があるという「選択回避の法則」を提唱しました。

この法則は、マーケティングにおいても重要な知見として活用されています。たとえば、商品やサービスの種類を増やすことで、消費者の興味を引きつけることができると考えがちですが、選択肢が多すぎると、逆に購買率が下がる可能性があるという点に注意が必要です。

また、ジャムの実験の結果は、消費者の意思決定プロセスにも示唆を与えています。消費者は、選択肢が多いと、どの選択肢が最適であるか、判断に迷うことがあります。その結果、選択を先延ばししたり、選択自体を避けたりする傾向があります。

この傾向は、消費者の購買行動だけでなく、仕事や日常生活における意思決定にも当てはまります。たとえば、仕事でプロジェクトの担当者を選ぶ際に、多くの候補者から選ぶと、判断に時間がかかり、最適な選択をするのが難しくなる可能性があります。

このように、ジャムの実験の結果は、消費者の行動や意思決定プロセスを理解する上で重要な知見といえます。

参考URL:
ジャムの実験をWebマーケティングで実践してみた | 株式会社Sprocket

アルバート坊やの実験は、1920年にアメリカの心理学者ジョン・ブロードゥス・ワトソンによって行われた、古典的な行動主義心理学の実験

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アルバート坊やの実験とは

概要

アルバート坊やの実験は、1920年にアメリカの心理学者ジョン・ブロードゥス・ワトソンによって行われた、古典的な行動主義心理学の実験です。この実験は、恐怖条件付けという現象を明らかにしようとしたもので、倫理的に問題があるとして現在では批判されています。

実験内容

実験対象は、生後11ヶ月の乳児であるアルバート君です。

  1. 普段、アルバート君はネズミを怖がりません。
  2. ワトソンは、ネズミを見せた後に大きな音を立ててアルバート君を驚かせます。
  3. これを何度も繰り返すうちに、アルバート君はネズミを見るだけで恐怖を感じるようになります。
  4. さらに、ネズミだけでなく、ウサギや毛皮のコートなど、ネズミに似たものも怖がるようになります。

結果

この実験から、人間は恐怖のような感情も後天的に学習できることが示されました。

批判

しかし、この実験は、乳児に強い恐怖を与え、トラウマを与えたとして、倫理的に問題があるとして批判されています。また、実験の結果を一般化できるかどうかについても疑問が持たれています。

その後

アルバート君の実験後の消息については、分かっていません。一部の情報では、成人後に精神的な問題を抱えていたとされています。

意義

アルバート坊やの実験は、倫理的に問題があったとはいえ、学習理論の発展に大きく貢献しました。また、この実験がきっかけとなり、実験倫理に関する議論が活発化しました。

補足

  • アルバート坊やの実験は、古典的な行動主義心理学の実験としてよく取り上げられます。
  • 行動主義心理学は、人間の行動はすべて後天的に学習されるものであると考える学派です。
  • 現代の心理学では、行動主義心理学に加えて、認知心理学生物学などの要素も考慮した、より包括的な人間の心理解が目指されています。

ネズミのユートピア実験「ユニバース25」は1968年から1972年にかけて、アメリカ動物行動学者のジョン B. カルフーン氏によって行われた、ネズミを使った有名な実験

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ネズミのユートピア実験「ユニバース25」:楽園がもたらした悲劇

概要

1968年から1972年にかけて、アメリカ動物行動学者のジョン B. カルフーン氏によって行われた、ネズミを使った有名な実験が「ユニバース25」です。

実験内容

  • 2.7m×2.7m、高さ1.4mの密閉空間に、餌と水が無限に供給され、外敵のいない環境を構築
  • 8匹のマウスを導入し、その行動を観察
  • 当初はマウスの数が急増し、2200匹を超えるまで増加
  • その後、人口増加は鈍化し、社会構造の崩壊、出生率の低下、死亡率の上昇、最終的には全滅に至る

実験結果

  • 十分な食料と安全な環境があっても、ネズミの集団は繁栄せず、絶滅してしまう
  • 過密状態によるストレス、社会構造の崩壊、行動異常などが原因と考えられている

考察

ユニバース25実験は、人間社会や都市計画を考える上で示唆を与える重要な結果となっています。

  • 過密社会の弊害: 実験結果から、過密状態はストレスや社会問題を引き起こし、個体や集団の存続を脅かすことが示唆されています。現代社会における都市化や人口増加の問題を考える上で、重要な教訓となります。
  • 社会構造の重要性: ネズミたちは、過密状態の中で社会構造を維持することができず、最終的に崩壊してしまいました。これは、人間社会にとっても同様であり、健全な社会構造を維持することが重要であることを示唆しています。
  • 行動異常: 過密状態によるストレスは、ネズミたちの行動異常を引き起こしました。これは、人間の場合にも、うつ病や攻撃性など、様々な問題につながる可能性があります。

ユニバース25実験は、単なるネズミの実験ではなく、人間社会の未来を考える上で重要な示唆を与えてくれる貴重な研究と言えるでしょう。

ウェグナーの実験

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ウェグナーの実験とは?

ウェグナーの実験(Wegner's Experiment)は、心理学者ダニエル・M・ウェグナー(Daniel M. Wegner)によって行われた実験です。この実験は、自発的な運動を引き起こす意図的な意識の力に関する洞察を提供することを目的としています。

実験は以下のような手順で行われます:

参加者は円形のテーブルを前にし、その上に置かれたフリッパー(小さな板)を手で押すことができる状態で座ります。
参加者は指示された通りにフリッパーを押し、自分の意識的な意図によってフリッパーが動いたと感じます。
その後、参加者は自分の意識的な意図に反してフリッパーが動いたと主張するように指示されます。
実験者は、参加者のフリッパーの動きを実際に制御し、参加者の主張と実際の動きの一致しない状況を作り出します。
この実験は、参加者が自分の意図によって起こったと信じる運動が実際には外部の要因によって引き起こされた場合でも、参加者は自己の意識的な制御に対する錯覚を抱く傾向があることを示唆しています。

ウェグナーの実験は、「意図と行動の錯覚」や「意図的な意識の錯覚」として知られており、人々が行動を意図的に制御していると信じる傾向がある一方で、実際には無意識な要因や外部の影響が行動を決定している場合があることを示しています。この実験は、自己の制御や意図に関する心理的なプロセスを理解するための重要な研究として位置づけられています。

https://sinrigakusenkou.com/entry/12.html

シェリフの同調性実験とはムザファ・シェリフが行った「知覚の自動運動現象」を用いた実験

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シェリフの同調性実験

ムザファ・シェリフが行った「知覚の自動運動現象」を用いた実験です。

実験の概要

  1. 光の点の観察: 被験者は暗い部屋に入り、光の点をじっと観察します。
  2. 一人での報告: 最初は一人ずつ、光の点が動いたと感じる長さを報告します。
  3. 集団での報告: その後、3人1組になり、同じように光の点の動いた長さを報告します。

実験結果

最初はバラバラな回答だったのが、回数を重ねるにつれて、報告された長さが同じようになってきました。つまり、周囲の人々の意見に同調して、自分の知覚を報告するようになったのです。

実験の意義

この実験は、集団の影響力と、個人の知覚がどのように影響を受けるかを示しました。また、同調行動のメカニズムを理解する上で重要な役割を果たしています。

補足

この実験は、ソロモン・アッシュの同調実験と混同されることがあります。アッシュの実験は、線の長さを比較する課題を用いて同調性を調べたものです。どちらも集団心理の研究において重要な実験です。

アッシュの同調実験とは、1951年にアメリカの社会心理学者ソロモン・アッシュが行った、人間の同調行動を検証した実験

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アッシュの同調実験とは、1951年にアメリカの社会心理学者ソロモン・アッシュが行った、人間の同調行動を検証した実験です。

実験では、真の被験者(被験者本人)のほかに、サクラ役の被験者を複数人用意しました。そして、真の被験者を前に、サクラ役の被験者たちが、明らかに間違った線の長さを指差すように指示しました。

その結果、真の被験者の37%が、サクラ役の被験者と同じように、明らかに間違った線の長さを指差すという結果が出ました。

この結果は、人間は、集団の圧力に屈して、自分の意見を曲げることがあることを示しています。

アッシュの同調実験は、社会心理学において最も有名な実験の一つであり、その後も多くの研究が行われています。

アッシュの同調実験の結果から、同調行動は、以下の要因によって影響を受けると考えられています。

  • 集団の人数:人数が多いほど、同調行動は起こりやすくなります。
  • 集団の一致:集団の意見が一致しているほど、同調行動は起こりやすくなります。
  • 個人の性格:自己主張の強い人は、同調行動を起こしにくい傾向があります。

アッシュの同調実験は、私たちの社会生活において、さまざまな影響を及ぼしています。

たとえば、集団の中では、自分の意見を主張せずに、多数派の意見に合わせてしまうことがあります。また、社会的圧力によって、人権侵害や差別などの行為に加担してしまうこともあるのです。

アッシュの同調実験を知ることで、私たちは、自分の意見を曲げずに、しっかりと自分の信念を貫くことができるようになります。

参考URL:
アッシュの同調実験 - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

吊り橋実験とは、1974年にアメリカの心理学者ドナルド・ダットンとアーサー・アロンによって行われた実験

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吊り橋実験とは、1974年にアメリカの心理学者ドナルド・ダットンとアーサー・アロンによって行われた実験です。この実験では、18歳から35歳までの独身男性を、揺れる吊り橋と揺れない吊り橋の上で渡らせ、それぞれの橋の真ん中で若い女性に「アンケートにご協力ください」と話しかけたというものです。

その結果、揺れる吊り橋を渡った男性の方が、揺れない吊り橋を渡った男性よりも、女性に好意を抱く傾向が強かったことが明らかになりました。この実験から、不安や恐怖などのストレスを感じているときには、恋愛感情を抱きやすくなるという「吊り橋効果」が提唱されました。

吊り橋効果は、情動二要因論によって説明されています。情動二要因論とは、スタンレー・シャクターによって提唱された情動の理論であり、情動は「出来事→感情→その感情への解釈」という経路で生じるとしています。

吊り橋効果において、不安や恐怖などのストレスを感じているときには、心拍数や血圧などの生理的な変化が生じます。この生理的な変化は、恋愛感情の特徴と似ているため、不安や恐怖を恋愛感情と誤って認知してしまうと考えられています。

吊り橋効果は、恋愛以外の場面でも応用されています。例えば、営業やマーケティングにおいて、顧客に緊張感を与えることで、商品やサービスへの好感度を高めるという方法が用いられています。

なお、吊り橋効果は、あくまでも実験結果に基づく仮説であり、必ずしもすべての人に当てはまるとは限りません。また、吊り橋効果を意図的に利用する場合、相手の心理状態や状況を十分に考慮することが重要です。

参考URL:
”吊り橋効果”のウソ・ホント!実はこんなところ恋愛テクニックが!?

ソーンダイクの問題箱実験とは、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが1898年に行った実験

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ソーンダイクの問題箱実験とは、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが1898年に行った実験です。この実験では、猫を問題箱と呼ばれる箱に入れ、餌を箱の外側に置き、猫が箱から脱出するまでの間、猫の行動を観察しました。

問題箱は、餌が置かれている場所につながる扉が付いています。この扉を開けるための方法は、箱によって異なります。例えば、扉の前に輪がぶら下がっていて、それを引っ張ることで扉が開くものや、扉の上にフックがあって、それを引っ張ることで扉が開くものなどがあります。

ソーンダイクの実験の結果、猫は最初は箱から脱出する方法がわからず、さまざまな行動を試行錯誤します。そのうち、偶然に正しい行動をとると、餌が得られ、猫は満足します。そして、この経験を積み重ねることで、猫は箱から脱出する方法を学習していきます。

ソーンダイクはこの実験から、学習は試行錯誤の結果であり、正しい行動をとると、その行動が強化されることで学習が促進されることを明らかにしました。この学習の原理は、後に「試行錯誤学習」または「道具的条件づけ」と呼ばれるようになりました。

ソーンダイクの問題箱実験は、学習心理学における重要な実験であり、その後の学習研究に大きな影響を与えました。

参考URL:
ソーンダイクの問題箱実験とは?猫を使った実験内容をわかりやすく解説 | やさびと心理学

モニスの実験的ロボトミーとは、ポルトガルの精神科医、アントニオ・エガス・モニスが1935年に開発した、精神疾患の治療法

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モニスの実験的ロボトミーとは、ポルトガルの精神科医、アントニオ・エガス・モニスが1935年に開発した、精神疾患の治療法です。

モニスは、精神疾患は前頭葉の機能異常によって引き起こされると考えていました。そこで、前頭葉の一部を切断することで、精神疾患の症状を緩和できるのではないかと考えました。

モニスは、脳波の測定や、動物実験などによって、前頭葉の切断が精神疾患の症状に効果があることを確かめました。そして、1935年に、精神病患者に対して、前頭葉の切断手術を行いました。

モニスの手術は、当初は成功したように見えました。手術を受けた患者の多くは、精神疾患の症状が改善されたと報告されました。そのため、モニスの実験的ロボトミーは、世界中で広く行われるようになりました。

しかし、その後の研究によって、モニスの実験的ロボトミーには、重大な副作用があることがわかりました。具体的には、手術を受けた患者は、感情の鈍麻、意欲の低下、自発性の喪失など、さまざまな後遺症に苦しむことがわかりました。

そのため、モニスの実験的ロボトミーは、1950年代以降、徐々に行われなくなってきました。

モニスの実験的ロボトミーは、精神疾患の治療法として、画期的なものでしたが、その副作用の大きさから、現在では行われなくなっています。しかし、この手術によって、脳科学の分野において、前頭葉の役割に関する研究が進んだことは、重要な成果と言えるでしょう。

参考URL:
エガス・モニス - Wikipedia

シロクマ実験とは、アメリカの心理学者ダニエル・ウェグナーが1987年に発表した実験

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シロクマ実験とは、アメリカの心理学者ダニエル・ウェグナーが1987年に発表した実験です。シロクマの映像を見た被験者を3つのグループに分け、それぞれのグループに「シロクマのことを覚えておいてください」「シロクマのことを考えても考えなくてもいいです」「シロクマのことだけは考えないでください」と指示をしました。

1年後に、それぞれのグループにシロクマに関する記憶テストを実施したところ、最も記憶していたのは「シロクマのことだけは考えないでください」と言われたグループでした。

この実験から、人は「考えないようにする」という指示をされた場合、むしろその対象を意識してしまい、結果的にその対象のことをよりよく覚えてしまうことが明らかになりました。

この現象は、皮肉過程理論(ironic process theory)によって説明されています。皮肉過程理論によると、人は「何かを意識しない」という指示をされた場合、その対象を意識しないために、その対象を意識するプロセスを実行しようとします。しかし、このプロセス自体が、その対象を意識してしまうことにつながってしまうのです。

シロクマ実験は、私たちの思考の癖について重要な示唆を与えてくれる実験です。何かを忘れたいと思ったら、むしろその対象を意識しないようにするのではなく、別のことに意識を向けるようにした方がよいでしょう。

シロクマ実験の応用例としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 嫌な記憶を忘れたい場合、その記憶を思い出そうとしないのではなく、別の楽しい記憶に意識を向けるようにする。
  • 不安や緊張を解消したい場合、その不安や緊張を意識しないようにするのではなく、呼吸や身体の動きなどに意識を向けるようにする。

シロクマ実験を知っておくことで、自分の思考の癖を理解し、より効果的な思考や行動をとることができるでしょう。

参考URL:
仕事でつかえる心理学 ~その28~ 嫌な事が忘れられない(シロクマ実験から学ぶ) | アストピ