アイゼンクの特性論とは、パーソナリティを、内向性-外向性と神経症傾向の2次元、もしくは精神病傾向を加えた3次元で表現するパーソナリティ心理学の理論です。
アイゼンクは、パーソナリティは、特定の反応、習慣的反応、特性、類型の4つの階層から構成されていると考えました。
- 特定の反応:具体的な行動や反応
- 習慣的反応:特定の反応が一定のパターンとして現れる
- 特性:習慣的反応がさらに統合され、安定した性格特性として表れる
- 類型:複数の特性が組み合わさって形成される
アイゼンクは、因子分析を用いて、これらの階層のうち、特性の次元を2つまたは3つに分類しました。
内向性-外向性:
- 内向的:内省的、孤独を好む、静かな環境を好む
- 外向的:社交的、活動的、騒がしい環境を好む
神経症傾向:
- 神経症傾向が高い:不安、緊張、気分の変動が大きい
- 神経症傾向が低い:情緒的に安定している
精神病傾向:
- 精神病傾向が高い:現実感の喪失、思考の混乱、幻覚や妄想などの症状がみられる
- 精神病傾向が低い:精神的に健全である
アイゼンクの特性論は、パーソナリティを理解し、分類するための有効なフレームワークを提供しました。また、特性が生物学的な基盤に根ざしているとする点で、特に革新的であり、パーソナリティが遺伝的要素と環境的要因の相互作用によって形成されると主張しています。
アイゼンクの特性論は、臨床心理学、職業カウンセリング、教育、人事管理など、様々な領域で応用されています。例えば、職業選択の際に、個人のパーソナリティ特性を考慮することで、その人に合った職業を見つけることができます。