知能の2因子説

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知能の2因子説とは、知能は一般因子(g因子)と特殊因子(s因子)という2つの要素から構成されるとする理論です。

一般因子(g因子)は、すべての知的活動に共通して働く、一般的で基本的な知能因子です。言語、算数、空間認識、推論、記憶など、さまざまな知的活動に影響を与えます。

特殊因子(s因子)は、個別の知的課題や領域ごとに特有に働く知能因子であり、後天的なものであると考えられています。例えば、特定の学科の成績や、特定のスポーツの能力などです。

2因子説は、イギリスの心理学者チャールズ・スピアマンによって提唱されました。スピアマンは、小学生の成績の分析から、各学科に共通する因子と個別の学科の課題に固有の因子があるとする仮説を立てました。この仮説は、因子分析と呼ばれる統計手法を用いた実証的研究によって支持されました。

2因子説は、知能の研究において最も広く受け入れられている理論の一つです。しかし、2因子説には、いくつかの批判もあります。例えば、一般因子(g因子)は、単に他の因子の平均値であるのではないかという批判があります。また、2因子説では、知能の構造が複雑であることが十分に考慮されていないという批判もあります。

近年では、2因子説を拡張した多因子説や、知能を能力のネットワークとして捉える理論などが提唱されています。

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