傍観者効果とは、援助が必要な緊急事態に直面した際、周りに多くの人がいることによって、率先して援助行動を起こさなくなる心理効果のこと

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傍観者効果とは、援助が必要な緊急事態に直面した際、周りに多くの人がいることによって、率先して援助行動を起こさなくなる心理効果のことをいいます。

1964年、アメリカの社会心理学者であるジョン・ダーリーとビクター・ラタネは、ニューヨークの公園で女性が襲われている状況を想定した実験を行いました。その結果、周囲に多くの人がいた場合、援助行動を起こす確率が低くなることが明らかになりました。

傍観者効果は、以下の3つの考えによって起こると考えられています。

  • 責任分散:周囲に多くの人がいる場合、誰かが助けるだろうという考えから、自分は助ける責任を負わなくなる。
  • 多元的無知:他の人が助ける様子がないことから、事態が緊急性を要しないと考える。
  • 緊張や不安:周囲の視線やプレッシャーによって、緊張や不安を感じ、行動を起こしにくくなる。

傍観者効果は、さまざまな場面で起こり得る現象です。たとえば、以下のような例が挙げられます。

  • 駅や電車で倒れている人を見かけても、誰も助けに行かない。
  • 路上で喧嘩をしている人を見かけても、誰も止めに行かない。
  • 事故や災害現場で、誰も助けに行かない。

傍観者効果を抑制するためには、以下の対策が考えられます。

  • 誰かが助けに行くことを促す声掛けや行動をする。
  • 援助を求めている人の緊急性を伝える。
  • 助けに行くことを恥ずかしがる気持ちを取り除く。

傍観者効果は、私たちの社会生活に大きな影響を与える現象です。傍観者効果を理解し、対策を講じることで、より安全で助け合いの精神にあふれた社会を実現することができるでしょう。

参考URL:
傍観者効果 - Wikipedia