限界効用逓減の法則とは?
限界効用逓減の法則とは、財・サービスの消費量が増えるにつれて、追加1単位の消費から得られる効用(満足度)は次第に小さくなるという経済学の法則です。
例えば、
- 最初の1杯目のビールは格別においしいですが、2杯目、3杯目と飲むにつれて、その美味しさは次第に薄れていく。
- ゲームを1時間遊ぶのは楽しいですが、2時間、3時間と遊ぶにつれて、その楽しさは次第に減っていく。
このように、どんなに好きなものであっても、消費量が増えれば増えるほど、その満足度は薄れていくというのが、限界効用逓減の法則です。
この法則は、以下のような場面でよく用いられます。
- 消費者行動の分析: 消費者は、限界効用を最大化しようとして行動します。つまり、お金を払って得られる効用が最大になるように、財・サービスを購入するのです。
- 価格設定: 企業は、限界効用逓減の法則を理解することで、最適な価格を設定することができます。価格が高すぎると消費者は購入を控え、価格が低すぎると利益が減ってしまうためです。
- 公共政策: 政府は、限界効用逓減の法則を理解することで、効率的な公共政策を策定することができます。例えば、教育や医療などの公共サービスを提供する場合、限界効用が最も高い層から順に提供していくのが効率的です。
限界効用逓減の法則は、経済学だけでなく、心理学やマーケティングなど、様々な分野で応用されています。
例
限界効用逓減の法則を、具体的な例で説明します。
例1:パンケーキ
あなたは、パンケーキが大好きです。ある日、あなたはパンケーキを10枚焼きました。
1枚目目のパンケーキを食べるのは、あなたにとって至福のひとときです。ふわふわでバターの香りがたまらない、まさに最高の味です。
2枚目目のパンケーキも、1枚目目ほどではありませんが、十分に美味しいです。しかし、3枚目目になると、さすがに少し飽きてきたなと感じ始めます。
4枚目目、5枚目目とパンケーキを食べるにつれて、あなたの満足度はどんどん下がっていきます。
10枚目目のパンケーキを食べ終える頃には、もうお腹いっぱいになってしまい、パンケーキを見ただけでげんなりしてしまうかもしれません。
例2:遊園地
あなたは、遊園地に行くのが大好きです。ある日、あなたは遊園地で一日中遊びました。
最初にジェットコースターに乗ったときは、あまりのスピードとスリルに大興奮しました。
2番目のアトラクションも、1番目ほどではありませんが、十分に楽しめました。しかし、3番目、4番目とアトラクションに乗るにつれて、さすがに疲れてきたなと感じ始めます。
5番目、6番目とアトラクションに乗っても、最初の頃ほどの楽しさは感じられません。
夕方になり、遊園地を出るときは、もうすっかりへとへとになってしまい、二度と遊園地に来たくないと思ってしまうかもしれません。
これらの例のように、限界効用逓減の法則は、私たちの日常生活の様々な場面で当てはめることができます。
まとめ
限界効用逓減の法則は、消費量が増えるにつれて、追加1単位の消費から得られる効用は次第に小さくなるという経済学の法則です。
この法則は、消費者行動、価格設定、公共政策など、様々な分野で応用されています。
限界効用逓減の法則を理解することで、私たちはより賢く、より満足度の高い生活を送ることができます。