ゲインロス効果とは、マイナスの印象からプラスの印象、またはその逆に変化する度合いが大きいほど、相手に与える影響が大きくなる心理効果です。
例えば、最初は「怖そうな人」という印象を与えていた人が、話してみると「優しい人」という印象を与えた場合、そのギャップが大きければ大きいほど、良い印象を与えることができます。
また、最初は「良い人」という印象を与えていた人が、何か悪いことをした場合には、そのマイナスの印象は、最初に持っていた良い印象よりも大きく感じられてしまうこともあります。
ゲインロス効果は、以下の2つの要因によって引き起こされると考えられています。
- 予期せぬ変化の大きさによって、その人の印象が大きく変化する
- マイナスの印象は、プラスの印象よりも記憶に残りやすい
ゲインロス効果は、マーケティングや広告などの分野で活用されています。例えば、商品やサービスのCMで、最初は悪い印象を与えた後に、良い印象を与えることで、消費者の印象を強く印象付けることができます。
また、教育や心理療法などの分野でも、ゲインロス効果の活用が研究されています。例えば、子どもの行動を改善するために、最初は厳しく叱った後に、褒めるなどの方法をとることで、子どものやる気や自信を高めることができると考えられています。
ゲインロス効果は、適切に活用することで、人の印象や行動を変化させることができる有効な心理効果です。
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脇本忍准教授、京都新聞連載心理学コラム、今回のテーマは「ゲイン・ロス効果」です。 - NEWS&TOPICS - 聖泉大学