多重パーソナリティ障害

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多重パーソナリティ障害(DID)は、かつて多重人格障害と呼ばれていた、精神医学の診断名です。DIDの人は、複数のパーソナリティ(人格)を持っており、それらが交代して現れます。それぞれのパーソナリティには、独自の記憶、思考、行動、感情があります。

DIDの原因は完全には解明されていませんが、幼少期に耐え難いほどのトラウマを経験したことが関係していると考えられています。トラウマを避けるために、自分の意識を切り離し、別のパーソナリティに切り替えることで、自分を守ろうとするのです。

DIDの症状は、人によってさまざまです。主な症状は次のとおりです。

複数のパーソナリティの存在
パーソナリティ間の記憶や意識の欠如
意識の喪失や脱退
フラッシュバック
抑うつや不安
自傷行為
薬物やアルコールの乱用
DIDは、長期的な治療が必要です。治療は、薬物療法と精神療法の両方が行われます。薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬などが用いられます。精神療法では、認知行動療法や精神分析療法などが用いられます。

DIDは、珍しい病気ではありません。日本では、10万人に1人程度の割合でDIDの患者がいると考えられています。DIDの人は、社会生活や人間関係に支障をきたすこともあります。しかし、適切な治療を受ければ、症状をコントロールし、社会生活を送ることが可能です。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-077.html