生存者バイアスとは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなること

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

生存者バイアスとは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなることである。選択バイアスの一種である。

例えば、第二次世界大戦中の戦闘機について考えてみましょう。ある研究者は、戦闘で被弾した箇所を分析し、どこが最も攻撃を受けやすいかを調べようとしていました。しかし、彼は生存した飛行機のみを分析対象としたため、実際には撃墜されてしまった飛行機がどこを攻撃されていたのかを知ることはできませんでした。

この例のように、生存者バイアスは、成功した例ばかりを見てしまうことで、失敗した例の存在を見落としてしまうという問題があります。これは、投資、ビジネス、日常生活など、様々な場面で起こり得ます。

生存者バイアスを避けるために

生存者バイアスを避けるためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 失敗した例も考慮する: 成功した例だけでなく、失敗した例も収集し、分析する。
  • データの偏りに注意する: データが偏っていないかどうかを慎重に検討する。
  • 複数の情報源から情報を得る: 1つの情報源だけに頼らず、複数の情報源から情報を得る。
  • 自分の思い込みを疑う: 自分の思い込みに基づいて判断するのではなく、客観的な視点で物事を考える。

生存者バイアスの例

  • あるベンチャーキャピタリストが、過去の成功事例だけを見て投資判断を行うと、将来成功する可能性が高いベンチャー企業を見逃してしまう可能性がある。
  • ある起業家が、成功している起業家のインタビュー記事だけを読んで、起業に必要なスキルや心構えを学ぼうとすると、失敗した起業家の経験から学べる教訓を見逃してしまう可能性がある。
  • ある学生が、模試で高得点を取った問題ばかりを解いて勉強すると、本番で解けない問題が出てしまう可能性がある。

このように、生存者バイアスは、様々な場面で判断を誤らせてしまう可能性があります。自分の思考に潜む生存者バイアスに気付き、それを克服することが重要です。