エトーレの法則

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エトーレの法則とは、資産運用において、過去の成績の良い運用者や商品に投資をした投資家は、過去の成績の悪い運用者や商品に投資をした投資家よりも、長期的なリターンが低くなるという法則です。

この法則は、1989年に出版されたウィリアム・ブレナンの著書『敗者のゲーム』の中で提唱されました。ブレナンは、機関投資家向け運用をおこなっているマネージャー数社の35年間の調査結果を分析し、過去の成績が良好なマネージャーには新規顧客が集まり、直近の成績が悪いマネージャーは解約が相次いでいることを明らかにしました。

この調査結果から、ブレナンは、投資家は過去の成績に引きずられて、直近の成績の良い運用者や商品に投資をしてしまう傾向があると指摘しました。そして、この傾向は、投資家が人間の心理に影響を受けているためであり、このような「余計な動き」が長期的なリターンを潰してしまうと述べました。

エトーレの法則は、投資においてよく陥りがちな「高値買い、安値売り」の罠を説明する上で重要な法則です。投資家は、過去の成績に惑わされず、長期的な視野に立って投資を行うことが重要です。

エトーレの法則は、行列の法則とも呼ばれています。これは、列を移動した途端に、移動先の列はなかなか進まず、移動前にいた場所にとどまっていたほうが結局早かった……なんて経験があるのではないでしょうか。実はこの現象も、エトーレの法則と同様の心理が働いていると考えられています。

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