バランス理論とは、対人関係において三者以上の存在があるときに、その三者の間の認知関係のバランスを保とうとする人間の心理状態を表す社会心理学用語です。アメリカの心理学者であるフリッツ・ハイダーによって提唱されました。
バランス理論は、P-O-Xモデルを用いて説明されます。
- P:認知の主体である人
- O:Pと関係のある他者
- X:Pが認識する事物
PのOに対する認識、PのXに対する認識、OのXに対する認識の中で、好意的な物を「+」、否定的な物を「-」で表します。
それぞれの関係性が「++」「+-」「-+」「--」のいずれかで表される場合、バランスが取れている状態とされています。
例えば、
- PがOを好意的に認識し、OがXを好意的に認識している場合、PもXを好意的に認識する傾向があります。
- PがOを好意的に認識し、OがXを否定的に認識している場合、PはOに対して否定的な感情を抱くようになる可能性があります。
このように、バランス理論によると、人間はバランスが取れていない認知関係を嫌う傾向があり、バランスを保とうとする行動を取ると考えられています。
バランス理論は、人間関係の理解やマーケティング、営業などの応用にも用いられています。
例えば、
- 営業の際に、顧客との関係を良好に保つためには、顧客の好みに合った商品やサービスを提案することが重要です。
- 商品やサービスの広告において、ターゲットとなる顧客が好意的に認識する人物が、その商品やサービスを好意的に評価している様子を見せることで、顧客の購買意欲を高めることができます。
このように、バランス理論を理解することで、人間関係やマーケティング、営業などの場面において、より効果的なコミュニケーションや行動をとることができると考えられます。
参考URL:
バランス理論 - Wikipedia