間欠強化効果

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間欠強化効果とは、オペラント条件づけにおいて、毎回強化子(報酬などの刺激)を与える連続強化よりも、ときどき強化子を与える部分強化の方が学習の消去(抑制)が起こりにくい(消去抵抗が大きい)こと。

例えば、ハトにキーを押すという行動を学習させようとします。連続強化では、ハトがキーを押すたびに餌を与えます。すると、ハトはすぐにキーを押す行動を学習します。しかし、消去テストをすると、餌を与えられなくなると、ハトはキーを押す行動をすぐにやめてしまいます。

一方、部分強化では、ハトがキーを押すたびに餌を与えるのではなく、一定の割合で餌を与えます。例えば、5回押して1回餌を与える、といった具合です。すると、ハトはキーを押す行動を学習するまでに時間がかかりますが、消去テストをしても、ハトはキーを押す行動をやめにくいことが知られています。

この効果は、ギャンブルやゲーム依存などの行動問題の原因として、よく取り上げられます。ギャンブルやゲームでは、勝つ確率が低くても、たまに大きな勝利を得られるため、プレイヤーは繰り返しゲームをプレイし続けてしまうという傾向があります。

また、教育やトレーニングにおいても、部分強化効果は応用されています。例えば、子どもの学習において、すぐに正解を教えてしまうと、子どもはすぐに答えを求めて質問をしてしまいます。しかし、しばらく答えを教えずに待つことで、子どもは自分で考えようとし、学習の定着が促されるという効果が期待できます。

間欠強化には、以下の3つの種類があります。

定間隔強化(FR):一定の回数行動を行った後に強化を与える。例えば、5回押して1回餌を与える、といった具合。
定比率強化(FR):一定の回数行動を行うごとに強化を与える。例えば、10回に1回餌を与える、といった具合。
変動間隔強化(VR):一定の範囲内の回数行動を行った後に強化を与える。例えば、5回から10回の間で1回餌を与える、といった具合。
これらの種類によって、強化の頻度や消去抵抗度が異なります。一般的に、消去抵抗度は、VR > FR > VR の順に大きくなります。

間欠強化効果は、私たちの日常生活にもさまざまな形で影響を与えています。その効果を理解することで、行動をコントロールしたり、効果的な教育やトレーニングを行うことに役立ちます。

https://it-counselor.net/psychology-terms/partial-reinforcement-effect