閉眼効果とは、目を閉じることによって、出来事に関する記憶成績が向上する現象です。目撃証言の研究では、閉眼によって記憶の再生が向上し、確信度も上がることが知られています。このような閉眼効果は、子どもにも生じるという報告もあります。
閉眼効果が生じる原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下の2つの仮説が提唱されています。
認知負荷仮説:閉眼することで周囲の環境からの視覚的な干渉を遮断することができ、視覚情報の想起に使うことのできる認知資源の量が増加する。
モダリティ固有干渉仮説:閉眼することで、視覚情報と聴覚情報の想起を切り替えて行うことができるため、視覚情報の想起が向上する。
閉眼効果は、目撃証言の聴取方法にも影響を与えています。現場では目撃証言の聴取を閉眼で行う手続きがとられている場合もあります。
閉眼効果は、記憶だけでなく、体性感覚知覚や判断にも影響を与えることが報告されています。閉眼すると、体性感覚知覚が向上し、非道徳的な行為を非倫理的だと判断する傾向が高まるという研究もあります。