現象学的還元とは、現象学における基本的な方法論であり、意識そのものに注目して、意識がどのように世界の現われを構成するのかを明らかにする方法

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

現象学的還元とは、現象学における基本的な方法論であり、意識そのものに注目して、意識がどのように世界の現われを構成するのかを明らかにする方法です。

現象学では、私たちが日常生活の中で対象を認識する際には、その対象の存在や実在性について前提を置いています。例えば、私たちは目の前にある机が存在する、あるいは、世界は客観的に存在する、といった前提を置いています。しかし、現象学では、このような前提をいったん脇に置き、対象そのもの、あるいは、対象が意識にどのように現われるかを、あくまでも現象として捉えようとするのです。

現象学的還元は、大きく分けて2つの要素から構成されます。

  • 超越論的エポケー
    超越論的エポケーとは、対象の存在や実在性について、一切の判断や主張を中止することです。例えば、目の前にある机が存在するかどうか、あるいは、世界は客観的に存在するかどうか、といった判断や主張を、いったん取り下げるのです。

  • 態度変更
    態度変更とは、自然的態度から超越論的態度へと意識の態度を変更することです。自然的態度とは、私たちが日常生活の中で当たり前のように抱いている、対象の存在や実在性についての前提を置いた態度です。一方、超越論的態度とは、対象の存在や実在性について、一切の前提を置かない態度です。

現象学的還元によって、私たちは対象そのもの、あるいは、対象が意識にどのように現われるかを、新たな視点から捉えることができるようになります。例えば、目の前にある机は、単に木材や金属でできた物体としてではなく、私たちの意識によって構成された存在として捉えることができるようになります。

現象学的還元は、現象学における基本的な方法論であり、哲学、心理学、芸術学など、さまざまな分野で応用されています。

参考URL:
現象学的還元 | Osamu Hasegawa Films