視線のカスケード現象とは、選択判断における意思決定の直前に選択する刺激に対して視線が偏りはじめ、その偏りが判断時まで上昇し続けるという現象のこと

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視線のカスケード現象とは、選択判断における意思決定の直前に選択する刺激に対して視線が偏りはじめ、その偏りが判断時まで上昇し続けるという現象のことである。

例えば、2つの顔写真を見せてどちらが魅力的か答えさせるという課題で、答えを出す直前まで、魅力的だと判断した顔写真に視線が偏っていると、その顔写真を選択する可能性が高くなる。

視線のカスケード現象は、2003年にShimojoらによって初めて報告された。その後、さまざまな研究で、視線のカスケード現象は、顔だけでなく、色や形など、さまざまな刺激に対して生じることが示されている。

視線のカスケード現象の原因は、まだ完全には解明されていないが、以下の2つの要因が関与していると考えられている。

単純接触効果:よく見るものに好意を抱く傾向がある。
選好注視:好ましい刺激に対して視線が向けられやすい。
視線のカスケード現象は、人間の意思決定や行動に影響を与える可能性があると考えられている。例えば、広告やマーケティングにおいて、視線のカスケード現象を活用することで、消費者の購買意欲を高めることができる可能性がある。

また、視線のカスケード現象は、認知心理学や神経科学の研究においても重要なテーマの一つとなっている。視線のカスケード現象の理解は、人間の視覚認知や意思決定のメカニズムを解明する上で、重要な手がかりとなると考えられる。

参考URL:
高齢者に視線のカスケード現象は見られるのか? | CiNii Research