TOT現象は、心理学用語で、思い出そうとしていることが「喉まで出かかっているのに思い出せない」現象

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TOT現象は、心理学用語で、思い出そうとしていることが「喉まで出かかっているのに思い出せない」現象です。英語の頭文字を取って「Tip of the tongue phenomenon」とも呼ばれます。

TOT現象は、誰にでも経験することがある普通の現象です。例えば、誰かの名字や、よく知っている言葉の意味、最近見た映画のタイトルなど、思い出そうとしていることが頭の中ではっきりとわかっているのに、言葉にできないことがあります。

TOT現象に陥る原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下の2つの説が有力です。

  • Direct-access説
    この説によると、TOT現象は、記憶の検索に失敗することが原因です。つまり、思い出そうとしていることが記憶の中にはあるのですが、それを検索することができず、思い出せないという状態です。

  • Inferential view説
    この説によると、TOT現象は、記憶の検索に成功しているが、それを言葉に表すことができない状態です。つまり、思い出そうとしていることが記憶の中にあり、それを検索することができているのですが、言葉に表すための適切な単語やフレーズが見つからないという状態です。

TOT現象を解消するには、以下の方法が有効です。

  • 休憩を取る

思い出そうとしていることをしばらく休憩して、考えないようにしましょう。休憩をすることで、脳の負担が軽減され、思い出しやすくなる可能性があります。

  • ヒントを探す

思い出そうとしていることを、ヒントをもとに思い出そうとしましょう。例えば、思い出そうとしている言葉の最初の文字や、その言葉がどのような場面で使われる言葉かなどを思い出すと、思い出しやすくなる可能性があります。

  • 別の方法で思い出す

思い出そうとしていることを、別の方法で思い出そうとしましょう。例えば、思い出そうとしている言葉の類義語や、その言葉が使われている文脈などを思い出すと、思い出しやすくなる可能性があります。

TOT現象は、誰にでも経験することがある普通の現象ですが、少し工夫することで、解消しやすくなります。

参考URL:
舌先現象の錯覚〜日経サイエンス2023年10月号より – 日経サイエンス