保存の概念

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保存の概念とは、物の形や状態を変形させても、数や量、重さ、体積などは変わらないという概念です。

例えば、AとBの容器に同じ量の水を入れ、Aの容器の水を細長い容器に移すと、Bの容器の水より多く見えても、AとBの水の量は同じです。これは、水の量は容器の形状や大きさに関係なく、一定であるためです。

保存の概念は、スイスの心理学者であるピアジェによって提唱されました。ピアジェは、子どもの発達を4つの段階に分けており、具体的操作期(7〜11歳)に保存の概念が獲得されるとしています。

具体的操作期になると、子どもは物事の因果関係や可逆性(物事の変化を元に戻すことができる性質)を理解するようになります。そのため、保存の概念を獲得し、見た目が変わっても物の量は変わらないことを理解することができるのです。

保存の概念は、算数や科学などの学習において重要な基礎となる概念です。また、日常生活においても、保存の概念を理解することで、物の量や大きさなどを正しく判断することができるようになります。

保存の概念に関する具体的な例としては、以下が挙げられます。

同じ量の砂を、平たい皿と高い山形の皿に分けて置いても、砂の量は同じ
同じ量の水を、細長い容器と短い容器に入れても、水の量は同じ
同じ量の飴を、丸い形と長い形に切っても、飴の量は同じ
保存の概念は、子どもの発達において重要な概念です。子どもが保存の概念を身につけることで、物事の理解が深まり、日常生活においてもより適切に判断することができるようになります。

https://it-counselor.net/psychology-terms/conservation-concept