自己中心語

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自己中心語とは、ピアジェが用いた用語で、幼児が自分の考えや行動を声に出して表現する言語を指します。自己中心語は、2歳頃から急速に出現し、3〜6歳頃に最も多く見られますが、7〜8歳を境に急速に減少していきます。

自己中心語の特徴は、以下のとおりです。

他者とコミュニケーションをとるための言語ではなく、自分の考えを整理したり、感情を表現したりするために使われる。
自分の視点からしか物事を見ることができず、相手の立場に立って考える能力が欠けている。
自己中心的な表現が目立ち、相手の気持ちを思いやる表現が少ない。
ピアジェは、自己中心語は幼児の自己中心性の表れであると考えました。幼児は、自分の考えや行動を他の人にも理解されると思い込んでおり、そのために自己中心的な言語を使うと考えたのです。

一方、ヴィゴツキーは、自己中心語は内言の発達過程で現れるものであると考えました。内言とは、自分の考えを頭の中で声に出して表現することです。幼児は、外言から内言へと発達する過程で、自己中心語のような不完全な内言を声に出すと考えたのです。

近年では、自己中心語は、幼児の認知発達やコミュニケーション能力の発達に重要な役割を果たすものであると考えられています。自己中心語を通して、幼児は自分の考えや感情を整理し、他者とコミュニケーションをとる能力を身につけていきます。

自己中心語は、幼児の成長過程で自然に消えていくものです。しかし、自己中心的な言語が目立ち、他の人とうまくコミュニケーションがとれない場合は、適切な指導やサポートが必要になる場合もあります。

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