凶器注目効果とは、犯罪現場で凶器を持った犯人を目撃した場合、目撃者の注意が凶器に引き付けられ、その人物の人相や着衣といった詳細な情報に関する記憶が不正確になるという現象のことを指します。
この効果は、1987年にロバート・カットラーらによって提唱されました。彼らは、実験において、被験者に対して、凶器を携帯した人物や凶器を携帯していない人物の写真を提示し、その後、被験者に人物の顔の特徴を記述させました。その結果、凶器を携帯した人物の顔の特徴を記述する際には、凶器を携帯していない人物の顔の特徴を記述する際に比べて、より多くの誤りが生じたことが明らかになりました。
この効果は、以下の2つの理由によって生じると考えられています。
凶器は、犯罪現場において非常に注意を引く刺激物であるため、目撃者の注意が凶器に引き付けられる。
凶器は、犯罪の脅威を象徴するものであり、目撃者は自分の身を守るために、凶器に関する情報を優先的に処理する。
凶器注目効果は、犯罪捜査や裁判において、目撃証言の信頼性に関する問題を引き起こす可能性があります。凶器を携帯した犯人を目撃した目撃者は、犯人の顔や着衣などの詳細な情報を正確に思い出すことができない可能性があるため、犯人の特定や有罪判決に影響を与える可能性があります。
凶器注目効果を軽減するためには、犯人の顔や着衣などの詳細な情報を目撃者に聞き取る際に、凶器に注意を向けないように促すことが重要です。また、目撃者が凶器に注意を向けてしまった場合は、凶器以外の情報にも注意を向けるように促すことも有効です。