共感覚とは、ある1つの刺激に対して、通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚も自動的に生じる知覚現象です。例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、味や匂いに、色や形を感じたりする人がいます。
共感覚の種類は多様で、150種類以上が確認されています。代表的な共感覚としては、以下のようなものがあります。
色字:文字や数字に色を感じる
色聴:音に色を感じる
味聴:味に色や形を感じる
色食:食べ物の味に色を感じる
形聴:音に形を感じる
共感覚を持つ人は、世界を通常の人とは違った形で体験しています。例えば、色字を持つ人は、文字を読むたびに色が浮かび上がり、色聴を持つ人は、音楽を聴くたびに色彩が目に浮かび上がります。
共感覚は、脳の神経回路が通常とは異なる働きをしているために起こると考えられています。しかし、共感覚がどのような仕組みで起こるのかについては、まだ完全には解明されていません。
共感覚は、病気や障害ではなく、一種の特殊能力ともいわれています。共感覚を持つ人の中にも、芸術家やミュージシャンなど、クリエイティブな分野で活躍している人もいます。
共感覚は、必ずしも良いことばかりではありません。共感覚のせいで、周囲の人から理解されず、孤立してしまうこともあるようです。しかし、共感覚を持つ人は、世界をより豊かに、そして多彩に体験することができるのです。