マタイ効果とは、優れた人物や組織への好意的な評価が、さらなる成功につながりやすくなる現象のこと

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マタイ効果とは、優れた人物や組織への好意的な評価が、さらなる成功につながりやすくなる現象のことを指します。

1960年代に米国の社会学者ロバート・K・マートンによって提唱されました。マタイ効果という名称は、新約聖書の『マタイによる福音書』の中に出てくる「持っている者は与えられてますます豊かになり、持っていないものは持っているものまで取り上げられるだろう」という言葉に由来しています。

マタイ効果は、科学界や芸術界、ビジネス界など、さまざまな分野で見られます。

たとえば、科学界では、有名な科学者の方が、そうでない科学者よりも、研究費や研究機会が与えられやすく、さらに優れた業績を挙げやすくなります。

芸術界では、有名なアーティストの方が、そうでないアーティストよりも、作品が評価されやすく、さらに人気を博しやすくなります。

ビジネス界では、優秀な社員の方が、そうでない社員よりも、昇進や昇給の機会が与えられやすく、さらに高い成果を上げやすくなります。

マタイ効果は、以下の3つの要因によって説明されます。

  • 認知バイアス:人は、優れた人物や組織に対して、より好意的に評価する傾向があります。
  • 機会の偏り:優れた人物や組織は、より多くの機会を与えられる傾向があります。
  • 自己強化:優れた人物や組織は、より成功しやすい環境に置かれる傾向があります。

マタイ効果は、社会の不平等を拡大させるという批判もあります。しかし、マタイ効果を理解することで、より公平な社会を実現するための施策を検討することができるようになります。

マタイ効果を防ぐための対策としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 公平な評価基準の確立:優れた人物や組織を評価する際には、公平な評価基準を確立することが重要です。
  • 機会の均等化:優れた人物や組織だけでなく、そうでない人物や組織にも、平等に機会を与えることが重要です。
  • 成功しやすい環境の整備:優れた人物や組織が、さらに成功しやすい環境を整えることが重要です。

マタイ効果は、社会において無視できない現象です。マタイ効果を理解し、対策を講じることで、より公平で、より幸せな社会を実現することができるでしょう。

参考URL:
「マタイ効果」「マルコ効果」を人材育成に活かすヒント – 講師派遣型研修の経営ソリューション – JMA