クレスピ効果とは、報酬量の変化によって、その後の行動や意欲が変化する心理現象のこと

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クレスピ効果とは、報酬量の変化によって、その後の行動や意欲が変化する心理現象のことを指します。特に、「それまで一定だった報酬が減少すると、その後の意欲が顕著に低下する」現象が非常に有名で、現代において気をつけねばならないシーンが多くありました。

1942年にアメリカの心理学者レオ・P・クレスピによってラットで初めて観察されました。クレスピは、ラットに餌を与える実験を行い、最初は一定量の餌を与えていました。その後、餌の量を徐々に減らしていくと、ラットが餌を食べに向かう時の走行速度が遅くなることを観察しました。

クレスピ効果は、以下の要因によって引き起こされるとされています。

  • 期待バイアス:人は、自分が期待している結果を得られやすいように、情報を歪めて解釈する傾向があります。そのため、報酬が減少することを期待していると、報酬が減少した際に、より大きな意欲低下を感じる可能性があります。
  • 損失回避性:人は、何かを得る喜びより、何かを失う悲しみの方が、倍ほど大きく感じるという特徴があります。そのため、報酬が減少することで、何かを失ったと感じ、意欲が低下する可能性があります。

クレスピ効果は、仕事や日常生活において、さまざまな場面で現れる可能性があります。例えば、以下のような場面では、クレスピ効果が働いている可能性があります。

  • 仕事で、給料が減ると、仕事に対する意欲が低下する。
  • 恋愛で、相手からの愛情が減ると、恋愛に対する意欲が低下する。
  • 趣味で、上達が止まると、趣味に対する意欲が低下する。

クレスピ効果を避けるために、以下の対策が考えられます。

  • 期待をコントロールする:報酬が減少する可能性を認識し、過度な期待をしないことで、意欲低下を防ぐことができます。
  • 報酬の種類を工夫する:報酬を金銭だけに限定せず、称賛や感謝などの非金銭的な報酬を組み合わせることで、意欲の維持につなげることができます。

クレスピ効果は、人間が持つ自然な傾向です。しかし、その傾向を理解し、対策をすることで、意欲を維持し、より良い成果を上げることができるようになります。

参考URL:
クレスピ効果とは|報酬量の変化によって意欲が変化する心理現象 | Theories