プライミング効果とは、事前に与えられた刺激(プライマー)が、その後の判断や行動に影響を与える現象のこと

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プライミング効果とは、事前に与えられた刺激(プライマー)が、その後の判断や行動に影響を与える現象のことです。プライミング効果は、無意識レベルで行われるのが特徴であり、知覚レベル(知覚的プライミング効果)や意味レベル(意味的プライミング効果)で起こります。

例えば、以下の実験は、知覚的プライミング効果の例です。

  • 被験者に、白い紙に黒い文字で「白」と書かれた紙を見せる
  • 被験者に、白い紙に黒い文字で「黒」と書かれた紙を見せる

その後、被験者に、白い紙に黒い文字で書かれた単語を読み上げるよう指示する。

この実験では、1つ目の紙に「白」を見せられた被験者の方が、2つ目の紙に「黒」を見せられた被験者よりも、黒い文字の単語を早く読み上げることができることが示されています。これは、1つ目の紙に「白」を見せられたことで、黒い文字に対する知覚が促進されたためと考えられています。

また、以下の実験は、意味的プライミング効果の例です。

  • 被験者に、幸せなイメージを連想させる言葉(「楽しい」「笑顔」など)を読み上げる
  • 被験者に、悲しいイメージを連想させる言葉(「悲しい」「泣く」など)を読み上げる

その後、被験者に、幸せや悲しみに関する質問に答えるよう指示する。

この実験では、幸せなイメージを連想させる言葉を読み上げられた被験者の方が、悲しいイメージを連想させる言葉を読み上げられた被験者よりも、幸せに関する質問に肯定的な回答をする傾向があることが示されています。これは、幸せなイメージを連想させる言葉を読み上げられたことで、幸せに関する記憶や感情が活性化されたためと考えられています。

プライミング効果は、さまざまな場面で確認されています。例えば、

  • マーケティング:商品やサービスの宣伝で、関連する言葉やイメージを表示することで、消費者の購買意欲を高めることができます。
  • 教育:学習前に、関連する知識や情報を提示することで、学習効果を高めることができます。
  • 臨床心理学:患者の不安や恐怖を和らげるために、関連するイメージを想起させる手法が用いられます。

プライミング効果は、私たちの判断や行動に潜在的な影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

参考URL:
プライミング効果とは――意味と人事領域への応用 – 『日本の人事部』