心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと

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心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。

ハーバードビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン氏が1999年に提唱した概念で、チームの心理的安全性とは、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義されています。

心理的安全性が低いとどうなる?

心理的安全性が低いと、以下のことが起こります。

社員のモチベーションが低下する

心理的安全性が低い職場では、失敗や間違いを恐れて発言や行動を控えてしまうため、新しいことにチャレンジする意欲が低下します。また、周囲の目を気にして自分の意見を言いづらいため、仕事へのやりがいや達成感も得られにくくなります。

仕事のパフォーマンスが下がる

心理的安全性が低い職場では、ミスやトラブルがあっても報告しづらく、問題が解決に至らないケースが増えます。また、チームワークや協働がうまくいかず、生産性の向上や成果の創出が難しくなります。

トラブルに迅速な対応ができない

心理的安全性が低い職場では、違和感や問題に気づいても、報告しづらいため、重大なトラブルに発展する可能性があります。また、情報共有がうまくいかず、迅速な対応ができません。

社員のメンタルが不調になる

心理的安全性が低い職場では、ストレスや不安を抱えやすく、メンタル不調のリスクが高まります。また、離職率の増加にもつながります。

参考URL:
心理的安全性の低い職場は要注意!原因や特徴、高める方法を紹介 | THANKS GIFT エンゲージメントクラウド

心理的安全性が低い具体例

心理的安全性が低い職場は、以下のような特徴があります。

  • ミスや失敗を報告しづらい
  • 自分の意見やアイデアを言いづらい
  • 上司や同僚からの批判を恐れている
  • 人間関係がギスギスしている
  • 仕事に対するモチベーションが低い

具体的な例としては、以下が挙げられます。

  • 上司や同僚から、ミスや失敗を叱責されたり、怒鳴られたりする
  • 自分の意見やアイデアを言っても、否定されたり、無視されたりする
  • 自分とは異なる意見や考えを持つ人を排除するような雰囲気がある
  • 仕事で失敗したときに、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいる
  • 仕事に対して、前向きな気持ちになれず、憂鬱な気持ちになる

このような職場では、従業員は自分の能力を発揮できず、仕事に対するモチベーションが低下してしまいます。また、離職率が高まる可能性もあります。

参考URL:
心理的安全性が低いのはなぜ?原因を把握し改善する方法とは|離職防止の知恵袋

心理的安全性を高める方法

心理的安全性が高まると、チームメンバーは失敗や間違いを恐れずに挑戦できるようになり、チームのパフォーマンス向上につながります。

心理的安全性を高める方法は、以下のようなものがあります。

お互いの存在を承認・尊重する

チームメンバーの存在を認め、尊重する姿勢を示しましょう。一人ひとりが大切にされていると感じることで、チームメンバーは安心して自分の意見を発言できるようになります。

相手への感謝・受け入れる姿勢を示す

チームメンバーの貢献に感謝し、受け入れる姿勢を示しましょう。チームメンバーが自分の貢献を認められていると感じることで、自信を持って仕事に取り組むことができます。

話しやすい雰囲気を作る

チームメンバーが気軽に質問や相談ができる雰囲気を作りましょう。そのためには、チームメンバー同士が積極的にコミュニケーションを取り、お互いの理解を深めることが大切です。

発言する機会を均等にもてるようにする

チームメンバー全員に発言する機会が均等に得られるようにしましょう。そのためには、発言を促したり、発言しやすい雰囲気を作りたりするなどの工夫が必要です。

愚痴・不満よりも建設的な言葉を意識する

チームメンバー同士で愚痴や不満を言い合うことは、心理的安全性を低下させる原因となります。建設的な意見やフィードバックに焦点を当て、チームの成長につなげましょう。

立場が上の人こそ弱みを見せる

立場が上の人こそ、弱みや失敗を率直に話すことで、チームメンバーに安心感を与えることができます。

心理的安全性は、チームメンバー全員の努力によって高めていくことができます。上記のような方法を参考に、チームの心理的安全性を高めていきましょう。

以下に、心理的安全性の高いチームの例を挙げます。

  • ミスや失敗を報告しても、チームメンバーから否定的な反応をされることなく、建設的なフィードバックを得られる。
  • 自分の意見や考えを自由に発言でき、チームメンバーから尊重される。
  • チームメンバー同士が積極的にコミュニケーションを取り、お互いを理解し合っている。
  • チームの目標達成に向けて、全員が協力して取り組んでいる。

心理的安全性の高いチームでは、チームメンバーが安心して仕事に取り組むことができ、チームのパフォーマンス向上につながります。

参考URL:
心理的安全性の作り方とは?効果やチーム作りの方法を解説 – マニュアル作成・共有システム 「Teachme Biz」

心理的安全性についてのよくある誤解

心理的安全性の意味や目的を正しく理解せず、誤解されたまま語られることも少なくありません。ここでは、心理的安全性についての代表的な誤解と、その真実について解説します。

誤解1:心理的安全性とは、単に「仲良し」な雰囲気を作ること

心理的安全性の高いチームは、確かにメンバー同士が互いを尊重し、安心して意見交換できる雰囲気が特徴です。しかし、それは単に「仲良し」であることを意味するものではありません。むしろ、建設的な議論や意見の対立も歓迎し、互いを成長させるためのフィードバックを積極的に行う環境こそが重要です。

誤解2:心理的安全性は、成果や目標達成の妨げになる

心理的安全性と成果は相反するものではありません。むしろ、メンバーが安心して意見やアイデアを共有できる環境は、イノベーションや創造性を促進し、結果的に高い成果につながります。失敗を恐れずに挑戦できる環境は、組織全体の学習と成長を促進し、長期的な成功に貢献するのです。

誤解3:心理的安全性は、リーダーやマネージャーが作り出すもの

心理的安全性は、リーダーやマネージャーが一方的に作り出すものではありません。組織全体で共有し、メンバー一人ひとりが意識的に取り組むことで初めて実現するものです。メンバー自身が、積極的に意見を発信し、他者の意見を尊重する姿勢を持つことが重要です。

誤解4:心理的安全性は、時間をかけてゆっくりと醸成するもの

心理的安全性の醸成には、確かに時間と継続的な努力が必要です。しかし、意識的に取り組むことで、短期間でも一定の効果を実感できる可能性があります。メンバー同士のコミュニケーションを活性化したり、意見交換の場を設けたりすることで、心理的安全性の向上を促進することができます。

誤解5:心理的安全性は、特定の組織や職種にのみ必要なもの

心理的安全性は、組織や職種を問わず、あらゆる環境において重要です。チームワークや協働が求められる現代社会において、心理的安全性の高い環境は、組織全体の競争力を高める重要な要素となります。

参考URL:
「心理的安全性」を誤解している人の3つの勘違い 楽しくやさしい職場にすることは目的ではない | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン

心理的安全性の同義語、類義語

  • サイコロジカルセーフティ