ウェイソンの4枚のカード問題とは、イギリスの認知心理学者ペーター・カスカート・ウェイソンが1966年に考案した論理パズルです。
4枚のカードがテーブルに置かれています。それぞれのカードは片面には数字が書かれ、もう片面には色が塗られています。
「カードの片面に偶数が書かれているならば、その裏面は赤い」という仮説を確かめるために、ひっくり返す必要があるカードはどれか?
正解は、「8のカード(偶数のカード)と青色のカード(赤色ではない色のカード)」です。
ウェイソンの4枚のカード問題は、人間の推論能力を調べる課題として、心理学の実験でよく用いられています。
実験結果によると、大学生や専門家など、年齢や学歴の高い人でも、正答率は50%程度に留まります。
これは、人間の推論には、確証バイアスと呼ばれるバイアスが働いているためと考えられています。
確証バイアスとは、自分が正しいと信じている仮説を裏付ける情報ばかりに注目し、反証する可能性のある情報には注意を払わない傾向のことです。
ウェイソンの4枚のカード問題では、多くの人が「偶数のカードは裏面が赤い」という仮説を正しいと信じているため、偶数のカードである「4のカード」をひっくり返すという誤った解答をしてしまうのです。
ウェイソンの4枚のカード問題は、人間の推論能力の限界を示すとともに、認知バイアスの存在を示す重要な課題です。