ロールシャッハテストとは
ロールシャッハテストは、スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハによって開発された、投影法に分類される性格検査の一種です。
テストの仕組み
- インクブロットの提示: 被験者に、インクを落として左右対称に広げた模様が描かれた図版(インクブロット)を10枚ずつ提示します。
- 自由な連想: 被験者に「それが何に見えるか」「どんな風に見えるか」について自由に答えてもらいます。
- 回答の分析: 回答の内容(何を連想したか、どのように説明したかなど)を分析し、被験者の思考過程や無意識の心理状態を推測します。
診断されるポイント
ロールシャッハテストでは、以下のような要素が分析されます。
- 位置: 図版のどの部分に注目したか(全体像か、部分か)
- 決定要因: 何に基づいて連想したか(形、色、動きなど)
- 内容: 具体的な連想内容(動物、人、風景など)
- 人気反応: 多くの人が連想する一般的な回答と比較して、個人の回答がどれほど特異であるか
テストの特徴と意義
- 無意識の探求: 意識的に操作しにくい無意識の領域にアプローチできると考えられています。
- 幅広い応用: 性格だけでなく、認知機能、感情、対人関係なども推測できます。
- 世界的な普及: 臨床現場や研究で広く用いられています。
留意点と批判
- 解釈の主観性: 回答の分析は主観的な要素を含み、検査者の経験やスキルに依存します。
- 文化の影響: 文化や背景によって、連想内容や解釈が異なる場合があります。
- 科学的根拠: 有効性や信頼性について、常に議論が続いています。