機能的固着とは、あるオブジェクトの一般的な機能に固執してしまい、他の機能に目を向けられない心理的傾向のことです。
例えば、下敷きはノートの下に敷くものという機能に固執してしまうと、直線を書くための道具としても使えることに気づけません。
機能的固着は、問題解決において障害となる可能性があります。例えば、ろうそくを壁に取り付ける問題では、画鋲の一般的な機能である、壁に釘を打つことに固執してしまうと、ろうそくを立てるための道具として画鋲を使うことに思いつきません。
機能的固着を克服するためには、以下の方法が考えられます。
- オブジェクトの一般的な機能以外の機能に目を向けるように意識する。
- オブジェクトの構造や材料に注目する。
- オブジェクトを別の用途で使用する方法を想像する。
機能的固着は、認知バイアスの一種であり、誰もが陥る可能性があるものです。しかし、意識して対策することで、克服することは可能です。
機能的固着の有名な実験として、ドゥンカーの実験が挙げられます。この実験では、被験者に、ろうそくを壁に取り付ける問題を解かせました。被験者には、ろうそく、マッチ、画鋲、そしていくつかの道具が与えられました。
ほとんどの被験者は、ろうそくに火をつけた後、ろうそくが倒れないように壁に取り付けることに苦労しました。その理由は、ろうそくを立てるための道具として、画鋲の一般的な機能である、壁に釘を打つことに固執してしまっていたからです。
しかし、一部の被験者は、画鋲をろうそくの足に刺して、ろうそくを立てることで問題を解決しました。この被験者は、画鋲の一般的な機能以外の機能に目を向けることができていたのです。
機能的固着は、日常生活のさまざまな場面で起こり得ます。例えば、
- 新しい使い方を思いつかず、新しいものを買ってしまう
- 問題を解決できず、あきらめてしまう
- 周囲の意見に流されてしまい、自分の考えを表現できない
などの原因となる可能性があります。
機能的固着を克服することで、より柔軟な思考や創造性を発揮できるようになるでしょう。