基準率の錯誤

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基準率の錯誤とは?

基準率の錯誤(きじゅんりつのさくご)は、統計的な判断や推論において起こりやすい誤りの一種です。基準率の錯誤は、人々が情報を評価する際に、基準となる確率やベースレートを適切に考慮せず、主に個別の特徴や情報に基づいて判断する傾向があることを指します。

基準率とは、特定の事象が発生する確率や出現率のことです。例えば、ある病気の発生率や商品の欠陥率などが基準率に当たります。基準率の錯誤が生じると、人々は特定の情報や特徴に焦点を当て、基準率を考慮せずに判断を下す傾向があります。

具体的な例を挙げると、ある病気の発生率が非常に低いとしましょう。しかし、ある検査方法を用いた場合、その検査結果が陽性となった場合に病気にかかっている確率が高いという情報が与えられました。この場合、人々は検査結果の情報に過度に注目し、基準率(病気の発生率)を考慮せずに、検査結果が陽性ならば病気にかかっていると判断してしまうことがあります。しかし、実際には病気にかかっている可能性は非常に低いのです。

基準率の錯誤は、医療診断、リスク評価、統計データの解釈など、様々な領域で重要な影響を与える可能性があります。適切な統計的思考と判断を行うためには、情報の背景となる基準率やベースレートを適切に把握し、それを考慮に入れることが重要です。

https://it-counselor.net/psychology-terms/base-rate-fallacy