実験者バイアスとは、実験者自身の期待や願望が、無意識のうちに実験結果に影響を与えてしまう現象です。
実験者は、実験の目的や仮説に基づいて、被験者に対して特定の行動や反応を期待します。その期待や願望が、被験者の行動や反応に影響を与え、結果として、実験者の期待する結果が得られてしまうというわけです。
実験者バイアスは、以下の3つの段階で発生します。
目次
実験者の期待や願望が、被験者への態度や行動に影響を与える
実験者は、被験者に対して、自分の期待や願望を反映した態度や行動を取ります。例えば、被験者に対して期待する結果を達成させようと、積極的に支援したり、励ましたりしてしまうことがあります。
被験者の態度や行動が、実験結果に影響を与える
被験者は、実験者の態度や行動に影響を受けて、自分の行動や反応を変化させます。例えば、実験者の期待する結果を達成したいという思いから、自分の能力や意欲を最大限に発揮しようとすることがあります。
実験結果が、実験者の期待や願望を裏付ける
実験結果が、実験者の期待する結果と一致すると、実験者は、自分の期待や願望が正しかったと確信してしまいます。この確信が、さらなる実験者バイアスを助長することになります。
実験者バイアスは、あらゆる分野の実験において起こり得る可能性があります。例えば、心理学の実験では、被験者の行動や反応を観察するだけで、実験結果を導き出すことがあります。この場合、実験者の期待や願望が、被験者の行動や反応に影響を与え、結果として、実験者の期待する結果が得られてしまう可能性が高くなります。
実験者バイアスを防ぐためには、以下の対策が考えられます。
実験者の期待や願望を意識する
実験者は、自分の期待や願望を意識し、その影響が実験結果に及ばないように注意する必要があります。
実験者の盲検化を行う
実験者の盲検化とは、実験者が被験者のグループ分けや実験結果を知ることを防ぐことです。実験者の盲検化を行うことで、実験者の期待や願望が実験結果に及ぶ可能性を低減することができます。
第三者による評価を行う
実験結果は、実験者以外の第三者によって評価されることで、実験者バイアスの影響を軽減することができます。
実験者バイアスは、実験結果の信頼性を損なう大きな要因となるため、実験を行う際には、実験者バイアスを防ぐための対策を講じることが重要です。