時空相待とは、時間知覚と空間知覚の相互依存性を指す心理学用語です。
心理学者佐久間鼎による造語(1933年)で、タウ効果とS効果(カッパ効果)の双方を含む。タウ効果とS効果は表裏の関係にあり、以下のような共通の特徴を有しています。
- 視覚のみならず触覚においても生じる。
- 効果の生じやすい条件が、仮現運動の生じやすい条件とかなりの程度一致している。
- 時間と空間を分離しようとする構えをとると効果が小さくなる。
- 成人よりも子どもの方が効果が強く表れる。
タウ効果
タウ効果とは、空間的に近い刺激間隔は、時間的に短く知覚される現象です。例えば、2つの点滅する光源が、画面の中央から左右に離れるほど、光源間の点滅の間隔が短く知覚されます。
S効果(カッパ効果)
S効果(カッパ効果)とは、時間的に近い刺激間隔は、空間的に短く知覚される現象です。例えば、2つの点滅する光源が、画面の中央から左右に近づくほど、光源間の距離が短く知覚されます。
時空相待は、私たちの日常生活においても、さまざまな場面で現れています。例えば、
- 車の運転中、前方の車が近づいてくると、車間距離が短く感じられる。
- 映画の早回しシーンでは、人物や物体の動きが速く感じられる。
- 音楽のテンポが速い曲では、曲の長さが短く感じられる。
などの現象は、時空相待によるものです。
時空相待の原因については、まだ完全に解明されていませんが、視覚系の脳内処理において、時間と空間の情報が統合されることで生じると考えられています。
参考URL:
時空相待 - Wikipedia