フロリダ効果とは、先行情報に引っ張られて行動が変わってしまう傾向のことをいいます。
1990年に、アメリカの心理学者ジョン・バルフらが、ニューヨーク大学の大学生を対象に行った実験で発見されました。バルフらは、学生たちに、以下の4つの単語を使った短文を作るように指示しました。
- フロリダ
- 忘れっぽい
- 静かな
- 賢い
結果は、高齢者をイメージしやすい単語で文章を作っていたグループの学生の歩行速度が、他のグループの学生よりも遅くなっていました。これは、「フロリダ」や「忘れっぽい」から「高齢者」をイメージした学生たちが、そこからさらに高齢者の歩きの遅さなどをイメージしてしまい、それが実際の行動に影響を与えたのだと考えられます。
フロリダ効果は、以下の2つの心理メカニズムによって説明されます。
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連想
連想とは、ある刺激をきっかけとして、関連する別の刺激を思い出す現象のことです。フロリダ効果では、先行情報である「フロリダ」や「忘れっぽい」と、高齢者のイメージが連想されることで、高齢者の行動を模倣する行動が引き起こされます。 -
自己認識
自己認識とは、自分自身を認識し、理解するプロセスのことです。フロリダ効果では、先行情報によって高齢者のイメージが強められることで、自分自身も高齢者であると認識し、そのように行動しようとする心理が働きます。
フロリダ効果は、マーケティングや広告など、人の行動や心理に影響を与えようとする場面で活用されています。例えば、高級ブランドの広告では、高級感や洗練さなどのイメージを先行情報として提示することで、消費者が高級ブランドの製品を購入する行動を促すことができます。
フロリダ効果を理解することで、人の心理をより深く理解し、効果的なマーケティングを行うことができます。
参考URL:
フロリダ効果 - ビジネスのための一般教養