経路依存性

今月の注目記事
みんなが知りたい!心理学用語ランキング ちょっと 口癖 プルースト効果とは

経路依存性とは?

経路依存性(path dependence)は、ある事象や状態が特定の経路や選択の歴史によって決定され、将来の結果や展開に影響を与える現象を指します。つまり、過去の経路や選択によって制約やパターンが形成され、将来の選択や結果にも影響を及ぼすという考え方です。

経路依存性は、社会科学や経済学の分野でよく議論されます。以下にいくつかの例を挙げます:

技術の経路依存性: 技術の進歩や採用は、過去の技術の経路に依存することがあります。特定の技術が普及し、それに関連するインフラやノウハウが蓄積されると、後続の技術開発や採用においてもその経路が選択される傾向があります。例えば、ベータマックスとVHSのビデオテープフォーマットの戦いや、キーボード配列のQWERTY方式の普及などが経路依存性の例として挙げられます。

制度の経路依存性: 社会や経済の制度や法律は、過去の経路に基づいて形成され、将来の発展に影響を与えることがあります。特定の制度や法律が確立されると、それに従って組織や市場が機能し、新たな制度の導入や変更が困難になる場合があります。例えば、過去の法律や制度によって形成された既得権益や慣習が、新たな制度変革や政策の実施を阻むことがあります。

人の行動の経路依存性: 個人の行動や選択も、過去の経路に依存することがあります。人は過去の経験や環境の影響を受け、特定の行動パターンや習慣を形成します。これらの経路や習慣は将来の行動や選択にも影響を及ぼすことがあります。例えば、特定の商品やブランドの使用や購入の習慣、既存の人間関係やネットワークの継続などが経路依存性の例です。

経路依存性の概念は、歴史的な事象や選択の影響を説明し、将来の変化や発展を予測する際に重要な要素となります。また、経路依存性の理解は、政策立案や戦略の策定、システムの変革などにおいても重要な洞察を提供します。

https://jinjibu.jp/keyword/detl/1217/