リマ症候群とは、誘拐・監禁事件などの犯人が人質と長時間過ごすうちに、人質に対して親近感を抱くようになる現象です。
リマ症候群の人は、以下のような特徴があります。
- 人質を傷つけるようなことをしない
- 人質にある程度の自由を与えたり、解放してしまうことすらある
- 人質の心身の健康を心配する
- 人質と会話をする
- 時には、人質に個人的な情報を共有することすらある
- 人質に対して約束することすらある
リマ症候群は、1996年から1997年にかけてペルーにおいて発生した在ペルー日本大使公邸占拠事件にちなんで命名されました。この事件では、武装した一団が、各国の駐ペルー特命全権大使、日本企業のペルー駐在員ら約600人を人質にした。しかし監禁者の一団は人質に同情し、数時間以内に200人以上の人質を解放したのです。
リマ症候群の原因は、さまざまに考えられます。
- 共通の体験や状況を共有することで、人質と犯人の間で共感や連帯感が生まれる
- 犯人は、人質を監禁することによって、自分自身を正当化したり、罪悪感を和らげたりしようとする
- 人質は、犯人から脅迫や暴力を受けたり、孤立感や絶望感を味わったりすることによって、犯人に依存するようになる
リマ症候群は、本人にとっても周囲の人々にとっても、大きな負担となる可能性があります。
本人は、人質を解放した後も、罪悪感や後悔にさいなまれることがあります。また、周囲の人々は、本人の行動に理解に苦しんだり、困惑したりしてしまうことがあります。
リマ症候群を克服するためには、以下のようなものが効果的です。
- 自分の行動を客観的に見つめ、その原因を理解する
- 人質を解放した後も、自分の感情や考えを整理し、新たな生き方を模索していく
- 信頼できる人に相談したり、カウンセリングを受けたりすることで、サポートを受ける
リマ症候群は、決して克服できないものではありません。
本人の強い意志と、周囲の理解と協力があれば、克服することは可能です。
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リマ症候群とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書