イエスセット話法とは、質問に対して相手から「はい」の返事を積み重ねることで、同意を得やすくなる心理的交渉術の一つです。
イエスセット話法は、心理学における「一貫性の法則」に基づいています。一貫性の法則とは、人は一度行った行動や意見・信念などを一貫させたいという心理的傾向があるというものです。
イエスセット話法では、まず相手から「はい」の返事を得られるような質問をいくつかします。これらの質問は、相手にとって肯定的で、なおかつ簡単に「はい」と答えられるような内容が好ましいです。
例えば、営業のシーンで、新商品の購入を検討している顧客に対して、次のような質問を投げかけます。
- 新商品は、今使っている商品よりも使いやすいと思いますか?
- 新商品の機能は、あなたのニーズに合ってますか?
- 新商品の価格は、あなたの予算内で収まりますか?
これらの質問に対して、顧客が「はい」と答えると、顧客は「新商品を購入する」という行動と「はい」と答えるという行動が一貫することになります。そのため、本命の質問である「新商品を購入してみませんか?」に対しても「はい」と答える可能性が高くなります。
イエスセット話法は、営業やマーケティングの分野でよく用いられますが、日常生活でも活用することができます。例えば、デートの誘いや、友人に何かを頼むときなどに、イエスセット話法を取り入れることで、相手からの承諾を得やすくなるかもしれません。
イエスセット話法を使う際の注意点は、相手にとって都合の悪い質問をしたり、相手を説得しようとしたりしないことが挙げられます。イエスセット話法は、相手から「はい」を引き出すためのテクニックであり、相手をコントロールするためのものではありません。