自己正当化バイアスとは、自分が正しい、あるいは自分がしたことは正しいと信じ込もうとする人間の心理的な傾向のこと

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自己正当化バイアスとは?

自己正当化バイアスとは、自分が正しい、あるいは自分がしたことは正しいと信じ込もうとする人間の心理的な傾向のことを指します。

具体的には、以下のような行動や思考パターンに現れます。

  • 都合の良い情報だけを集める: 自分の意見や行動を裏付けるような情報ばかりを集め、反対意見や批判的な情報は無視したり、軽視したりする。
  • 過去の行動を美化する: 過去の失敗や過ちを正当化したり、実際よりも良いように記憶を書き換えたりする。
  • 責任を回避する: 自分が悪いことをしたと認めたくないため、責任を他人に押し付けたり、言い訳を見つけたりする。
  • リスクを過小評価する: 自分の行動に伴うリスクを過小評価したり、楽観的な見通しを持ったりする。

自己正当化バイアスは、以下のような様々な要因によって引き起こされると考えられています。

  • 自己肯定感の低さ: 自己肯定感が低い人は、自分の価値を認められたいという欲求が強く、そのため自分の欠点や間違いを認めたくないという気持ちが強くなります。
  • 過去の経験: 過去の経験の中で、自分の意見や行動を否定されたり、批判されたりした経験があると、自己防衛的な心理から自己正当化バイアスが強くなることがあります。
  • 集団への所属意識: 自分が所属している集団の規範や価値観に合わせるために、自分の意見や行動を正当化しようとする場合があります。

自己正当化バイアスは、以下のような問題を引き起こす可能性があります。

  • 誤った判断: 自分の意見や行動が正しいと思い込んでしまうため、誤った判断をしてしまう可能性があります。
  • 人間関係の悪化: 自分の意見ばかり押し通したり、責任を回避しようとしたりすることで、周囲の人との人間関係が悪化する可能性があります。
  • 成長の阻害: 自分の欠点や間違いを認めようとしないため、成長の機会を逃してしまう可能性があります。

自己正当化バイアスを克服するには、以下の方法が有効です。

  • 自分の思考パターンを客観的に分析する: 自分がどのような情報を集めているのか、どのような思考パターンを持っているのかを客観的に分析することで、自己正当化バイアスに気づきやすくなります。
  • 多様な意見に耳を傾ける: 自分とは異なる意見や価値観を持つ人の話を聞くことで、自分の視野を広げ、思い込みを修正することができます。
  • 自分の間違いを認める: 自分の間違いを認めることは勇気が必要ですが、成長するためには不可欠です。
  • 客観的な意見を求める: 信頼できる人に自分の意見や行動について客観的な意見を求めることで、自己正当化バイアスに気づきやすくなります。

自己正当化バイアスの例

  • ダイエット中に、ついお菓子を食べてしまった:

    • 自己正当化バイアス: ストレスが溜まっていたから仕方ない、明日からまた頑張る、このくらいなら大丈夫
    • 客観的な視点: ダイエットの目標を達成するためには、お菓子を食べるのは控えた方が良い。ストレス解消には、お菓子以外にも方法がある。
  • 仕事でミスをしてしまった:

    • 自己正当化バイアス: 上司の指示が曖昧だった、まだ研修中だから仕方ない、誰もミスはする
    • 客観的な視点: ミスは自分の責任である。今後は同じミスを繰り返さないように注意する。
  • 友人と喧嘩をしてしまった:

    • 自己正当化バイアス: 私が悪くないのはあいつが悪い、あいつの方がひどいことを言っていた、仲直りしたくない
    • 客観的な視点: 喧嘩には双方に責任がある。仲直りのために、歩み寄る必要がある。

まとめ

自己正当化バイアスは、誰にでも起こりうる心理的な傾向ですが、意識的に克服することで、より良い判断を下し、人間関係を良好に保ち、成長することができます。