ドリアン・グレイ効果

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ドリアン・グレイ効果とは?

「ドリアン・グレイ効果」(Dorian Gray Effect)とは、社会心理学における用語で、自己イメージの形成や維持に関する現象を指します。この効果は、オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』に登場する主人公の名前に由来しています。

『ドリアン・グレイの肖像』は、主人公ドリアン・グレイが美貌の肖像画を持ち、自分自身は年を取らず美しさを保つというストーリーです。この物語から派生し、ドリアン・グレイ効果は、人々が自分の外見やイメージを維持するために様々な努力をする心理的な傾向を指します。

具体的には、人々は自分自身が魅力的でありたいという願望から、外見の維持や向上に関する努力を行います。例えば、適切な服装を選ぶ、ヘアスタイルやメイクに時間をかける、健康的な生活を送る、フィットネスや美容に取り組むなどがあります。これらの努力は、自己イメージの維持や向上に貢献し、自己評価や自己満足感を高めることが期待されます。

ドリアン・グレイ効果は、社会的な圧力や自己効力感の要素も関与しています。社会的な圧力とは、他人からの評価や比較によって外見に対する意識が高まることを指し、自己効力感は、自分自身が外見をコントロールできるという信念や自信を指します。

この効果は、現代の社会において特に顕著であり、メディアやソーシャルメディアの普及により、外見に関する情報や比較が容易に入手できるようになりました。その結果、多くの人々が外見に対する意識を高め、外見への投資やメンテナンスに取り組むようになったと言われています。

ただし、ドリアン・グレイ効果は、外見に対する過度な執着や自己価値の依存につながる可能性もあるため、バランスと健全な自己評価を保つことが重要です。

https://www.sankei.com/article/20230404-3M5ZGCJNQZKN7JRMBCUNJIUTA4/