形式的操作期とは、スイスの心理学者ジャン・ピアジェが提唱した認知発達の4つの段階のうち、最後の段階です。一般的に11歳から成人期まで続くとされています。
形式的操作期の特徴は、以下のとおりです。
抽象的思考
具体的な事象や経験に捉われない、抽象的な概念を理解し、思考することができるようになります。例えば、民主主義や正義といった抽象的な概念を理解し、それについて議論することができるようになります。
仮説的思考
現実に存在しない事象や状況についても、仮説を立てて思考することができるようになります。例えば、もし月面に住んでいたら、どのような生活になるかについて考えることができます。
演繹的推論
仮説から結論を導き出すことができます。例えば、ある物理法則を仮定した場合、その物理法則に従って、どのような結果が得られるかについて推論することができます。
形式的操作期になると、子どもはより高度な思考能力を獲得し、抽象的な概念や仮説について理解し、議論することができるようになります。そのため、科学や哲学、芸術など、幅広い分野の学習や創造活動に取り組むことができるようになります。
形式的操作期の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 科学的な仮説を立てて、その仮説を検証する
- 哲学的な問いについて、自分の考えを論理的に説明する
- 芸術作品を鑑賞し、その作品の意味や意図を理解する
形式的操作期は、子どもが成人へと成長していくための重要な過程です。この時期に、子どもが十分な教育を受けることで、より豊かな思考能力を身につけることができるでしょう。