快楽原則とは?
快楽原則(pleasure principle)は、心理学のフロイト派の理論で提唱された概念です。この原則によれば、人間は快楽を追求し、苦痛を避ける傾向があるとされています。
フロイトは人間の心の構造を考える際、快楽原則に基づく「エス(Id)」という概念を提唱しました。エスは無意識の領域であり、本能的な欲求や快楽を追求する部分です。エスは即時の快楽を求め、欲求不満や苦痛を避けるために行動します。
快楽原則によれば、人間は本能的に快楽を追求しようとし、不快や不安を感じた場合にはそれを解消するための行動をとる傾向があります。この原則は、欲求充足の原則とも関連付けられます。例えば、空腹を感じた場合には食べ物を摂取し、喉の渇きを感じた場合には水を飲むといった具体的な行動がそれに当たります。
ただし、快楽原則は人間の心の働き方を完全に説明するものではありません。人間の行動や心理状態は、社会的な規範や文化、個人の価値観、他の心の要素などの影響を受けるため、単純に快楽追求だけで行動が説明できるわけではありません。
なお、フロイトは後に自我(Ego)や超自我(Superego)などの概念を提唱し、これらの要素がエス(快楽原則)と対立したり調整したりすることで人間の心の働きを解釈することを試みました。
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