フロムの生産的性格とは、人間が本来持つ能力を最大限に引き出し、自己実現を達成するような生き方をする性格を指します。フロムは、人間は「あるもの」と「持つもの」という二つの存在様式を基盤に性格を形成すると説きました。
「あるもの」とは、人間が本来備えている能力や可能性を表します。一方、「持つもの」とは、人間が外部から獲得したものや、他者から与えられたものを指します。
フロムは、生産的性格は「あるもの」を基盤とした性格であると捉えました。生産的性格の人は、自分の能力や可能性を信じ、それを発揮することに喜びを見出します。また、他者や環境を尊重し、共に協力して生きることを大切にします。
具体的には、以下の特徴が挙げられます。
- 自己肯定感と自己受容性が高い
- 他者や環境を尊重し、共生する
- 創造性や探求心が旺盛
- 責任感と自発性が高い
- 変化や挑戦を恐れない
フロムは、生産的性格は、現代社会において最も理想的な生き方であると主張しました。生産的性格の人は、自己実現を達成し、充実した人生を送ることができると考えたのです。
現代社会では、多くの人が「持つもの」を基盤とした非生産的性格に陥っていると言われています。非生産的性格の人は、自分の能力や可能性を信じることができず、他者や環境に依存するようになります。その結果、不安や孤独感に苛まれ、生きづらさを感じるようになります。
フロムの生産的性格の概念は、現代社会においても多くの示唆を与えてくれるものです。私たち一人ひとりが、自分の能力や可能性を信じ、生産的な生き方を目指すことが、より豊かで充実した人生を送るために重要であると言えるでしょう。
参考URL:
フロム先生のおっしゃること|yoshimaho