フラッシュバルブ記憶とは、個人的に重大な出来事や世界的な重大事件に関する非常に詳細な記憶を意味します。閃光記憶とも称され、「写真のフラッシュを焚いた時のように」鮮明な記憶を指します。
この用語は、1977年にアメリカの心理学者であるブラウン(Brown)とクゥリック(Kulik)によって提唱されました。彼らは、アメリカ初の女性副大統領に就任したジョージタウン大学のジャーナリスト、ネルソン・ロックフェラーの死に関する人々の記憶を調査した結果、この記憶が非常に鮮明で、時間の経過とともにほとんど変化しないことを明らかにしました。
フラッシュバルブ記憶は、強烈な感情が伴う出来事において特に起こりやすいことが知られています。例えば、多くの人々がアメリカ同時多発テロ事件やケネディ大統領暗殺事件、ジョン・レノン殺害などのニュースを聞いたときのことをよく覚えています。
また、フラッシュバルブ記憶は、個人的な出来事においても起こることがあります。例えば、結婚式、出産、親しい人の死など、人生の節目に起こる出来事について、人は鮮明な記憶を持つことがあります。
しかし、フラッシュバルブ記憶は、必ずしも正確な記憶であるとは限りません。特に、出来事の細かい詳細や、その出来事が起こった時間や場所などの記憶は、後になってから補足されたり、間違ったりすることがあります。
フラッシュバルブ記憶は、私たちの記憶の特性の一つであり、私たちの人生に大きな影響を与える出来事について、鮮明な記憶を残すことができます。しかし、その記憶が必ずしも正確であるとは限らないことを、覚えておく必要があります。