デフォルト効果

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デフォルト効果とは?

デフォルト効果(Default effect)は、心理学や行動

経済学において用いられる概念で、人々が何も選択しなかった場合に、あるデフォルト(既定)の選択肢を選ぶ傾向があるという現象を指します。

デフォルト効果は、人々が意思決定を行う際に選択肢の数や情報の複雑さによって判断の負荷が増え、それによってデフォルトの選択肢を選ぶ傾向が生じるとされます。デフォルトの選択肢は、あらかじめ設定されたものであり、特定の状況や制度に基づいて選択肢が提示されています。

例えば、オンラインストアで商品を購入する際、配送先の住所欄には既定の設定がされており、特に変更しない限りそのデフォルトの住所が使用されることがあります。多くの人は手間をかけずにデフォルトの住所を使用する傾向があります。

デフォルト効果は、選択の便宜性や誘導力に関連しています。人々は選択をする際に、既定の選択肢を選ぶことで認知的な負荷を減らし、効率的な決定を下そうとする傾向があります。また、デフォルト選択肢は社会的な規範や一般的な期待に基づいて設定されることもあります。

デフォルト効果は、政策設計やマーケティング、行動変容の分野で活用されています。デフォルトの選択肢を戦略的に設定することで、人々の行動を特定の方向に誘導したり、望ましい選択を促したりすることができます。例えば、環境保護の観点から、エネルギーや資源の節約に貢献するために、デフォルト設定を省エネモードにするなどの取り組みが行われています。

ただし、デフォルト効果は自動的な選択肢として機能する一方で、個々の意思や選択に対する自己決定性を制限する可能性もあります。デフォルト効果が望ましくない選択を強制する場合、個人の選択の自由や意思決定の能力が制約される可能性があります。

デフォルトの選択肢が重要な影響を持つ場合、それが個人の意思決定に適切であるか、個人の利益や価値観を反映しているかを慎重に考慮する必要があります。また、デフォルト設定が透明であり、個人が選択を変更する機会や情報にアクセスできることも重要です。

個人の自己決定性を尊重しながら、デフォルト効果を活用することは、人々の選択をサポートする方法の一つです。選択肢の提示やデフォルト設定を通じて、個人が意識的に選択を検討し、必要な情報を得ることができる環境を整えることが重要です。

デフォルト効果は、個人の行動や意思決定に影響を与える力を持つ概念です。そのため、個人や組織がデフォルトの設定や選択肢を検討する際には、個人の自己決定性と利益を考慮し、より包括的なアプローチを取ることが重要です。

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