非生産的人格類型

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非生産的人格類型とは、ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロムが提唱した、人間の性格類型の1つです。フロムは、人間の性格は大きく「生産的」と「非生産的」の2つに分けられると考えました。

非生産的人格類型は、自分の責任から逃れ、人格的成長を妨げるものであり、4つのタイプに分けられます。

受容的志向:他者に依存し、他者から愛や支援を求める。
搾取的志向:他者を自分の利益のために利用する。
貯蓄的志向:物質や財産を蓄積し、失うことを恐れる。
市場的志向:他人の評価を気にし、自分を商品のように扱う。
これらの非生産的人格類型は、いずれも人間の本来的な欲求である愛、自由、自己実現を満たすことができず、不安や孤独、抑圧などの問題を引き起こします。

例えば、受容的志向の人は自分を愛してくれる人を見つけることに固執し、自ら積極的に行動することを避けるため、成長や発展が阻害される可能性があります。また、搾取的志向の人は自分以外のものを犠牲にしてでも自分の利益を追求するため、他人との関係が悪化したり、社会的な問題を引き起こしたりする可能性があります。

フロムは、非生産的人格類型は、人間が生きていく上での困難や不安から逃れるために発達したと考えました。しかし、非生産的人格類型は、人間の成長や発展を妨げるものであるため、克服することが重要であると主張しました。

非生産的人格類型を克服するためには、自分の内面と向き合い、自分の本当の欲求や価値観を理解することが大切です。また、他人との関わり合いにおいて、自立心や共感性を育むことも重要です。

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