理想原則

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理想原則とは、精神分析の創始者であるジークムント・フロイトが提唱した、人間の心を支配する二つの原則のうちの一つです。

理想原則は、快楽原則の延長線上にある原則であり、衝動をできるだけ早く、完全に満足させることを目的としています。そのため、現実の制約や障害を無視して、衝動を満たそうとします。

たとえば、お腹が空いたときに、食べ物がなければ空想の中で食べ物を食べて満足しようとします。また、欲しいものをすぐに手に入れることができなければ、怒りや不満を爆発させてしまうこともあります。

理想原則は、幼児期に顕著に現れる原則です。幼児は、自分の欲求をすぐに満たしてくれる存在である母親に依存しています。そのため、母親がいないときには、母親の存在を空想の中で作り出し、母親の愛情を満たそうとします。

しかし、成長するにつれて、現実の制約や障害を認識するようになり、理想原則は現実原則に置き換わっていくようになります。

現実原則は、現実の制約や障害を認め、衝動の満足を現実に合わせて調整しようとする原則です。そのため、理想原則のように衝動を完全に満たすことはできませんが、現実の中で満足を得られる可能性を高めることができます。

たとえば、お腹が空いたときには、食べ物を探し出して食べることによって、現実の中で満足を得ることができます。また、欲しいものをすぐに手に入れることができなくても、将来のために貯金したり、努力したりして、現実の中で満足を得ようとすることができます。

現実原則は、幼児期から成人期まで、常に働いている原則です。しかし、理想原則の影響も受けており、現実原則と理想原則のバランスは、個人差や状況によって異なります。

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